日産、2004年度も過去最高の業績を達成 新中期計画「日産バリューアップ」を発表

2004年度決算報告および中期計画「日産バリューアップ」

 

 


日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は本日、2004年度(2005年3月期)決算に関し、連結当期純利益が前年度比1.7%増で過去最高の5,123億円(47億6,000万USドル、38億1,000万ユーロ)となったと発表した。また、同社のゴーン社長は、2005年4月1日より実施している同社の新三ヵ年事業計画「日産バリューアップ」の具体的な内容についても発表した。

ゴーン社長は、「昨年度は、為替レートの悪化、原材料の市況の高騰、インセンティブの増加や金利の上昇など多くの逆風を伴う厳しい事業環境のなかで、諸課題に果敢にチャレンジし過去最高の業績を挙げることができた。当社の事業基盤は強固であり、商品はお客さまにとって魅力的なものとなっている。日産は将来の持続的な利益ある成長に向けて態勢が整っている。」と語った。

2004年度の連結売上高は、前年度比15.4%増の8兆5,763億円(797億USドル、638億ユーロ)となった。 連結営業利益は、前年度比4.4%増の8,612億円(80億USドル、64億1,000万ユーロ)で過去最高を記録した。この結果、日産はグローバルな自動車メーカーの中でトップレベルの10.0%の売上高営業利益率を達成した。連結経常利益は、前年度比5.7%増の8,557億円(79億5,000万USドル、63億7,000万ユーロ)となった。

2004年度のグローバル販売台数は過去最高となり、前年度比33万1千台、10.8%増の338万8千台であった。米国での販売台数は前年度比18.4%増の101万3千台となり、初めて100万台の大台を突破した。日本での販売は1.4%増の84万8千台となった。欧州での販売台数は暦年ベースで、前年と横ばいの54万4千台となった。中国、メキシコ、カナダを含む一般海外市場での販売台数は、前年度比19.5%増の98万3千台となった。

今回発表の2004年度決算には、当社の中国での合弁会社である東風汽車有限公司の株式持分に基づく50%比例連結と、タイのサイアムニッサンオートモービル会社と裕隆日産汽車股份有限公司のフル連結分が含まれる。

日産バリューアップ
新中期計画である「日産バリューアップ」は、収益性、成長、投下資本利益率について3つのコミットメントから成る。各コミットメントの内容は以下の通り。
・ 同計画の期間中3ヵ年の各年度においてグローバルな自動車業界の中でトップレベルの営業利益率の維持
・ 2008年度において、グローバル販売台数420万台の実現
・ 同計画期間中平均で投下資本利益率(ROIC)20%(手許資金を除く)

ゴーン社長は、「日産の再生はこれで完了した。日産バリューアップは具体的なコミットメントから成る明確なプランである。日産は、今後の取組みの指針となるこの計画に従い、これまで以上に広範なグローバル市場のより多くのお客さま、従業員、株主の皆さまに対して更なる価値を創造するため邁進していく。」と語った。

同計画の下で、日産は全世界でのプレゼンスの向上を図る。その一環として、インフィニティを世界一流のラグジュアリー・ブランドとして投入していく。現在、北米、台湾、中近東で販売しているインフィニティを、今後 韓国、中国、ロシアへも導入していく計画である。

また、2007年度末までにグローバルで、28車種の日産並びにインフィニティ・ブランドの新型車を投入する。 

その他の2004年度連結決算の概要

有利子負債
日産自動車の自動車事業実質有利子負債は一掃された。2004年度末の時点で、同社は2,058億円(19億1,000万USドル、15億3,000万ユーロ)の実質キャッシュを有している。

配当
当初の予定通り、2004年度期末配当については一株当たり12円の配当を行うことを、2005年6月21日に開催される第106回定時株主総会にて提案する予定である。従って2004年度の配当は通期で24円となる。

2005年度の見通し
リスク要因としては、為替レートの変動、原材料の高騰、金利の上昇及びエネルギー価格の上昇、そして米国と日本における不透明な市場動向が挙げられる。一方、日産バリューアップの実行を加速することが好機である。

2005年度予想:
上記の見通しに基づき、また1ドル105円及び1ユーロ130円を想定レートとして、2006年3月期の業績予想を次の通り東京証券取引所に届け出た。連結売上高は9兆円、営業利益は8,700億円、経常利益は8,600億円、当期純利益は5,170億円を見込んでいる。 

注:本リリースに使用した米ドル及びユーロ表記は便宜上の数値であり、2005年3月期の平均レートである1ドル107.6円、また1ユーロ134.4円を使用している。

以上