日産自動車、2006年度決算を発表連結当期純利益は4,608億円を計上

2006年度決算報告および中期計画「日産バリューアップ」

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は26日、2006年度(2007年3月期)決算を発表した。 2006年度の連結決算は以下の通りとなった。

<2006年度 連結決算>

  • 売上高: 10兆4,686億円 (894億8,000万USドル、 707億3,000万ユーロ)
  • 営業利益: 7,769億円 (66億4,000万USドル、52億5,000万ユーロ)
  • 経常利益: 7,611億円 (65億1,000万USドル、51億4,000万ユーロ)
  • 当期純利益: 4,608億円 (39億4,000万USドル、31億1,000万ユーロ)
  • 売上高営業利益率: 7.4%

日産は、透明性と一貫性を確保するため、従来、暦年ベースを採用してきた欧州やメキシコ等をはじめとする海外子会社を、3月末決算の会計期間に変更した。これにより、規制上決算期の変更が出来ない中国と台湾を除く、全ての海外子会社の会計期間が統一される。

2006年度の決算には、これまで暦年ベースを採用していた会社の第5四半期(2007年1月〜3月)の実績を一過性の増益要因として織り込んでいる。 第5四半期実績の追加による2006年度の連結売上高への影響は7,676億円(65億6,000万USドル、51億9,000万ユーロ)となった。 また、連結営業利益に対して214億円(1億8,000万USドル、1億4,000万ユーロ)の増益、連結当期純利益に対し116億円(1億USドル、8,000万ユーロ)の増益となった。

2006年度のグローバル販売台数は、対前年度比2.4%減の348万3千台 となった。米国の販売台数は、同4.0%減の103万5千台となった。日本の販売台数は同12.1%減の74万台となり、欧州の販売台数は同0.2%減の54万台となった。一般海外市場の販売台数は同5.1%増の116万8千台となった。

また、同社の2006年度の自動車事業における実質手許資金は2,547億円 (21億8,000万USドル、17億2,000万ユーロ)となった。

なお、同社は6月に開催予定の定時株主総会で、すでに発表している通り一株当り17円の期末配当金を提案する。これにより、2006年度の年間配当は34円となる予定である。

<日産バリューアップの進捗状況>
社長のゴーンは、「2006年度の実績は日産バリューアップの目標達成に貢献しなかった。しかし、当社には中期経営計画のコミットメントを実現する潜在力があり、引き続きコミットメント完遂に全力を尽くす。従い、日産バリューアップで掲げる全てのコミットメントの達成時期を一年延期する。」と語った。

日産バリューアップの中心となる、4つのブレークスルーの2006年度の進捗は以下の通りである。

インフィニティをグローバル・ラグジュアリーブランドに
2006年には、インフィニティをロシアに展開した。今後、グローバル展開を加速し、2007年には中国とウクライナ、2008年には西欧全域に拡大していく。

小型商用車(LCV)のプレゼンス強化
小型商用車のグローバル販売台数は日産バリューアップ開始以降57% 伸び、2006年度には49万台に達した。さらに、8.0%を超える売上高営業利益率を達成した。

リーディング・コンペティティブ・カントリー(LCC)からの調達拡大
中国、アセアン、メキシコ、東欧等を中心とする競争力のある国々(LCC)からのグローバル調達額は、2005年度には12%であったが、2006年度には15%に達した。

地理的拡大
ブラジルや中国における事業への追加投資に加え、ロシアでは組立工場建設のための投資を行ってきた。また、インドではルノーと共にマヒンドラ・マヒンドラと提携し、3社共同で新工場を建設する。

<2007年度の業績予想>
ゴーン社長は2007年度の業績予想について、「2007年度の業績は2006年度に比べれば回復する見込みであるが、年間を通じて厳しい環境が続くであろう。原材料価格の高騰、エネルギー費や金利の上昇、不安定な為替レートの変動に加え、インセンティブも高いレベルで推移し、苦境に陥るサプライヤーや自動車メーカーが増えるであろう。」と語った。

 日産は、中長期の戦略に基づき、将来に向けて多額の投資を特に研究開発を中心に行っている。 また、同社は、2007年度にグローバルで11車種の新型車を投入する。 今年度に投入する新型車は「リヴィナ」、「エクストレイル」、「アルティマ クーペ」、「アトラス」(シングルキャブ/ダブルキャブ)、メキシコ向け新型エントリーレベルのセダン、「インフィニティG37クーペ」、「ローグ」、「GT-R」、ラグジュアリークロスオーバーの「インフィニティ EX」、「ムラーノ」、そして「フロンティア ナバラ」(シングルキャブ)である。

同社は上記の見通しに基づき、2007年度(2008年3月期)の業績予想を次の通り東京証券取引所に届け出た。なお、本見通しの想定為替レートは、2006年度と同レベルの1USドル117円及び1ユーロ148円である。

<2007年度 連結決算予想>

  • 売上高: 10兆3,000億円 (880億3,000万USドル、695億9,000万ユーロ)
  • 営業利益: 8,000億円 (68億4,000万USドル、54億1,000万ユーロ)
  • 経常利益: 7,730億円 (66億1,000万USドル、52億2,000万ユーロ)
  • 当期純利益: 4,800億円 (41億USドル、 32億4,000万ユーロ)

*本リリースに使用したUSドル及びユーロ表記は便宜上の数値であり、2007年3月期の平均レートである1USドル117円、また1ユーロ148円を使用している。

以 上

参 考 資 料

日産自動車株式会社の第4四半期(2007年1月〜3月)決算において、会計年度変更に伴う影響(第5四半期の追加実績)を除いた実績は以下の通りであった。

<2006年度 第4四半期 連結決算 (第5四半期を含まず)>

  • 売上高:対前年比 7.1%増の2兆8,238億円
    (241億4,000万USドル、 190億8,000万ユーロ)
  • 営業利益:同7.0%減の2,238億円
    (19億1,000万USドル、15億1,000万ユーロ)
  • 経常利益:同14.9%減の2,046億円
    (17億5000万USドル、13億8,000万ユーロ)
  • 当期純利益:同53.7%減の706億円
    (6億USドル、4億8,000万ユーロ)

*上記、当期純利益の減益要因はその影響度合いの高い順に、日本及び米国における人員削減に伴う一過性の特別損失計上、持分法適用会社による貢献の減少、そして税金費用の増額となっている。

以 上