10月31日、オートポリス(大分県)
10月30日(土)〜31日(日)、大分県の「オートポリス(1周4.674km)」で全日本GT選手権(JGTC)第6戦が開催され、予選3位からスタートした#1「ザナヴィニスモZ」が、レース半ばに首位に踊りでるとリードを拡大して逃げ切り、開幕戦に続き今季2勝目を挙げた。これにより、本山哲とリチャード・ライアンは選手権ポイントで首位となり、有利な位置で最終戦に臨むこととなった。
【決勝レース】
九州各地から集まった4万9500人の観客が見守る中、午後2時フォーメーションラップがスタートした。隊列がそろわなかったためフォーメーションラップが3周行われ、65周の決勝レースは63周に短縮されることとなった。
予選3位の#1ザナヴィ ニスモZは本山哲が好スタートを切り、最初の第1コーナーでは果敢にインに飛び込んでいったが、タイヤがまだ適正なグリップを発生しておらず、オーバースピードで飛び出してしまった。そのためトップを取ることは叶わず、これで5番手まで順位を下げてしまったが、3周目に#39スープラがスピンアウトして4位となると、3位の#100 NSXを射程距離に捕らえオーバーテイクのチャンスをうかがった。背後からプレッシャーをかけ続けた本山は10周にさしかかる最終コーナーでバックマーカーに詰まる#100のインをつき、3位に躍り出た。その後、2位の#25スープラを追い、さらに首位の#6スープラに狙いを定めた。23周目には#6が単独スピンで脱落。本山は、#25との差を0.3秒に詰めた時点でピットインし、リチャード・ライアンにドライバー交代した。37秒という迅速なピットワークののち、コースに戻ったライアンは#6の前に入ることができた。その後繰り広げられた#6との一進一退のバトルは、34周目にライアンの競り勝ちによって終止符が打たれる。
つづいてライアンは、先行する#25の背後から猛追。必死に逃げようとする#25のタイヤ磨耗を冷静に待ち、43周目の登りで見せた隙を逃さずにインをつき、ついにトップを奪い取った。その後は2位の#25を徐々に引き離し、独走態勢へとマシンを運んでいった。その後、#25に代わって2位となった#6の追撃を避け、さらに#6が再びスピンし、その後2位となった#39も、逃げるライアンに追いつくことは不可能となっていた。そしてライアンは、63周目のフィニッシュラインをトップで駆け抜け、開幕戦のTI以来今季2勝目を獲得することとなった。本山/ライアン組は、チャンピオンシップポイントでも11ポイント差の単独首位となり、最終戦のチャンピオン決戦に挑むこととなる。
一方、9位から影山正美がスタートした#22モチュールピットワークZは、堅実な走りで周回を重ね、7周目に8位へ、11周目には7位に浮上。トラブルにも巻き込まれずに安定したラップタイムを刻んだ。30周目に影山から交代したミハエル・クルムは、後半も手堅い走りを継続し、一時11位まで落とした順位を9位まで挽回し、チェッカーフラッグを受けた。
【ニスモ出川監督のコメント】
「今回はクルマが非常に上手く仕上がり、チームとして今季3勝目を上げることができました。交代した本山が、非常にクルマが調子いいと言ってくれたので、いける感触をもっていましたし、リチャードもいい仕事をしてくれました。これで良い形で最終戦の鈴鹿に臨めます。もちろん最後のレースも気を抜かず、いいレースをしてチャンピオンを手に入れたいですね」
【#1 本山哲のコメント】
「今回は、このコースにクルマがぴったり合い、非常にいい状態でした。僕が感心するぐらい速かったと思います。その速さが安定していたので、序盤にロスしたけど焦らず、無理することなくトップに迫ることができました。最終戦は最大の120kgウェイトを積むことになりますが、鈴鹿でも今日のような速さを見せることができれば、チャンピオンは取れると思います」
【#1 リチャード・ライアンのコメント】
「このレースはタイヤ選択がキーでした。サトシ(本山)が良いタイヤを選んでくれたので、僕としては楽にレース運びができました。僕は、ミスなく走ることに心がけました。このサーキットは高速コースだけど、パッシングポイントも多く、ドライバー勝負のコースでもあると思います。多くの日産ファンの皆さんに楽しんでいただけるレースができたと思います」
【総合結果】 63 Laps
Pos |
No |
Machine |
Driver |
Time / Behind |
|
|
ザナヴィニスモZ |
本山哲/R.ライアン |
1:54’34.309 |
2 |
39 |
デンソー サードスープラGT |
J.デュフォア/A.クート |
+5.339 |
3 |
25 |
ECLIPSE ADVAN スープラ |
織戸学/D.シュワガー |
+9.652 |
4 |
6 |
エッソウルトラフロースープラ |
脇阪寿一/飯田章 |
+24.242 |
|
|
カルソニック IMPUL Z |
B.トレルイエ/井出有治 |
+24.717 |
6 |
37 |
DYNACITY トムススープラ |
J.コートニー/片岡龍也 |
+25.047 |
7 |
36 |
WOODONE トムススープラ |
土屋武士/M.アピチェラ |
+26.394 |
|
|
モチュールピットワーク Z |
影山正美/M.クルム |
+27.806 |
|
|
#3 G‘ZOX・SSR・ハセミZ |
金石年弘/E.コマス |
|
【シリーズポイント】 ドライバーランキング (第6戦終了時点)
Pos |
No |
Machine |
Driver |
Points |
1 |
1 |
ザナヴィニスモZ |
本山哲/R.ライアン |
69 |
2 |
39 |
デンソー サードスープラGT |
J.デュフォア/A.クート |
58 |
3 |
6 |
エッソウルトラフロースープラ |
脇阪寿一/飯田 章 |
57 |
4 |
|
モチュールピットワークZ |
影山正美/M.クルム |
39 |
4 |
37 |
DYNACITY トムススープラ |
J.コートニー/片岡龍也 |
39 |
6 |
|
G'ZOX・SSR・ハセミ Z |
金石年弘/E.コマス |
38 |
|
12 |
カルソニック IMPUL Z |
B.トレルイエ/井出有治 |
15 |