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新型「シビリアン」を発売

1999_Civilian_W41

広報第9号
平成11年2月10日

新型「シビリアン」を発売

 日産自動車では、マイクロバス「シビリアン」をフルモデルチェンジし、2月19日より全国一斉に発売する。

シビリアン ロングボディ スーパーリムジン<オプション装着車>

 シビリアンは、6気筒エンジンによる高い静粛性と、広い視界や運転のしやすさなどにより、長年にわたってさまざまな業種のユーザーから高い評価を得てきた。
 今回、17年ぶりにフルモデルチェンジする「シビリアン」は、「新しいスタイルと快適な居住空間、優しさが調和したマイクロバス」をコンセプトに、ひとクラス上の高級感の実現を目指した。
 エクステリアはハイルーフのスクエアなデザインとし、質感を大幅に向上させた。
 インテリアは明るさと広々感を実現するため、大型のサイドウインドウとゆったりとできるシート幅、余裕の頭上空間を確保している。
 また、マイクロバスに求められる乗り降りのしやすさを追求し、クラストップの低いステップ地上高としながら、ステップの段数を2段から3段に変更した。
 エンジンは4.2リッター直列6気筒ターボチャージャー付ディーゼルエンジン「TD42T」と4.2リッター直列6気筒ディーゼルエンジン「TD42」の2種類を設定した。「TD42T」エンジン搭載車はエンジン出力・トルクの向上により、優れた動力性能を実現している。
 また、クラストップレベルの最小回転半径により、高い運転操作性を実現している。
 さらに、トリプルセーフティの考え方に基づき、コーナリングランプの設定や、夜間のリヤタイヤ視認性が向上するリヤホイール灯、後退時の後方確認をアシストするバックビューモニター、運転席エアバッグ(運転席SRSエアバッグシステム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)のオプション設定など、高い安全性を実現している。
 環境面では、平成10年排出ガス規制をクリアするとともに、鉛の削減などにも積極的に取り組んでいる。

 具体的な開発のテーマは以下の通り。
1.大型観光バスに匹敵する高級感あふれるエクステリア
2.快適さと開放感を追求した室内空間
3.「人に優しい」を実現した抜群の乗降性
4.優れた走行性能
5.高い安全性と環境への配慮

<販売目標台数>        200台/月

<取り扱い販売会社>
日産系各販売会社
モーター系各販売会社

<車両概要>

1.大型観光バスに匹敵する高級感あふれるエクステリア

・エクステリアはハイルーフのスクエアなデザインを採り入れた。さらに、フロントの大型樹脂バンパーは、ダイナミックな雰囲気を表現している。

・フロントには、接着式合わせガラスを採用し、フラッシュサーフェイスとした。

・ルーフ廻りの継ぎ目をなくすとともに、ルーフドリップのないデザインと大型サイドウインドウにより、すっきりとした質感の高いサイドビューを演出した。

2.快適さと開放感を追求した室内空間

・室内空間は大型のサイドウインドウにより、明るさと開放感を表現した。

・室内長は、ロングボディで6,280mm、標準ボディで5,560mmとクラストップを実現するとともに、1,900mmの室内幅と1,820mmの室内高により、ゆとりある空間とした。
(一部グレードはスペックが異なる。)

・ロングボディの29人乗りでは、シートの幅を2人席で910mm、1人席で465mmとして、ゆったりと座ることができる。また、シートピッチを750mmとし、足下もゆとりあるスペースを確保している。

・吸・遮音材をフロントフロア廻り、フロントパネル部、ボディサイドなどに効果的に配置し、静粛性を向上させた。

・クーラーのフロント配置と配管径の拡大による冷房効率向上、コンプレッサーの容量拡大などにより、心地よい空調性能を実現した。

・インジケーターの電子式オドメーターは、文字のサイズ拡大により視認性を向上させた。また、ツイントリップメーターを採用して、使い勝手を向上させている。さらに、助手席側に電動ミラーを設定するとともに、クーラー付車は運転席用ランプをドア連動スイッチとして運転手の利便性を高めている。

・スーパーリムジンのサイドウインドウには、新幹線などで使用されている複層ガラスをこのクラスで初めて採用し、断熱性と遮音性の向上、結露の低減を実現した。

・室内を快適にする様々なインナーグリーン関連装備を採用した。例えば、ステアリング/シフトノブ/パーキングブレーキレバー/客席アシストグリップを抗菌仕様とするとともに、UVカット断熱グリーンガラス、プライバシーガラスをオプションで設定した。

3.「人に優しい」を実現した抜群の乗降性

・乗降口は、乗り降りのしやすさを追求し、3段ステップを採用した。なお、幼児車は従来の3段ステップから4段ステップとしている。

・乗降口のステップ地上高は、折戸で280mm、スイングドアで340mm(エアサスペンション装着車はそれぞれ285mm/345mm)、ドア開口高は、折戸で1,920mm、スイングドアで1,925mmを確保し、足元及び頭上に配慮した大きな乗降ドアとしている。3段ステップのピッチについては、折戸で195mm/240mm、スイングドアで185mm/190mm(いずれも、下段/上段)と、従来よりも大幅に縮め、さらに楽な乗降が可能となった。

4.優れた走行性能

・「TD42T」エンジンは燃焼室形状の変更や燃料噴射量及び噴射時期の最適化を図ることにより、最高出力160PSとしながら、全域にわたるトルク向上を達成し、優れた加速性能を実現した。
<最高出力:160PS/3,600rpm、最大トルク:35.7kg・m/2,000rpm(ネット値)>

・最小回転半径はロングボディで6.4m、標準ボディで5.9mとクラストップレベルの優れた取り廻し性能としている。

5.高い安全性と環境への配慮

高い安全性

 日産自動車では、「トリプルセーフティ(安全の3つの砦)」という安全思想を基に、さらなる安全性の向上を目指したクルマづくりを行っている。今回の「シビリアン」でも、この「トリプルセーフティ」の思想に基づき、多くの安全技術を採用し、最高水準の安全性を実現している。

■安全採用項目一覧
●「インフォメーションセーフティ(危険を予知する安全技術)」
・コーナリングランプ
・リヤホイール灯
・LED式ハイマウントストップランプ
・バックビューモニター           など
●「コントロールセーフティ(危険を回避する安全技術)」
・ABS(アンチロックブレーキシステム)   など
●「インパクトセーフティ(被害を最小化する安全技術)」
・運転席SRSエアバッグシステム
・接着式合わせガラス(フロント)
・運転席ロードリミッター付プリテンショナーシートベルト
・助手席ELR付3点式シートベルト      など

環境への配慮

・「シビリアン」では、平成10年排出ガス規制をクリアするとともに、七都県市低公害車指定制度および京阪神6府県市低NOx車指定制度等の排出ガス基準をクリアしている。

 

(了)

 

 日産自動車では、今回の「シビリアン」の発売にあわせて、特装車のライフケアビークル※「ハートフル サルーン」を2月19日より全国一斉に発売する。

 「ハートフル サルーン」は、車いす利用の方やお年寄り、さらに介護する方にも安心して利用できるチェアキャブで、ベース車と同様、乗り降りのしやすさに配慮し、クラストップの乗降口開口部の高さや後部観音扉開口部の高さを確保した。さらに、乗降口はオート式スライドステップを装備し、お年寄りなどの乗降性にも配慮している。
 後部観音扉は、車いすでの乗降時の安全性に配慮した後退防止用自動フラッパー付の全自動昇降用リフターを装備した。また、乗車時はボタン操作だけで車いすを固定できる車いす自動固定装置や介護する方との会話が楽しめる回転対座リクライニングシートなどの装備により、安全で快適な移動が可能となる。

※ライフケアビークル:日産自動車グループでは、生活のいろいろなシーンでお役に立ちたいとの意味を込めて、福祉車両を「ライフケアビークル」(LV:Life Care Vehicle)と呼んでいる。


(了)