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日産自動車、燃料電池車「X-TRAIL FCV」に二酸化炭素を冷媒としたカーエアコンを搭載

 

 

 

 

 

 

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座、社長:カルロス ゴーン)は、同社が3月29日より限定リース販売を開始する燃料電池車「X-TRAIL FCV」に、カルソニックカンセイ株式会社(本社:東京都中野区、社長:北島 孝)と共同開発した、ニ酸化炭素を冷媒としたカーエアコンを搭載する。

現在、一般的に車載されているカーエアコンは、代替フロンを冷媒として車室内熱交換器で蒸発させ、熱を奪うことで冷房を行ない、暖房については、エンジンから発生する熱で加熱した冷却水を循環させて暖気するという二系統のシステムを用いている。よって、内燃機関を持たない燃料電池車や電気自動車の場合、熱源がないため暖房の効きが良くないという欠点があった。今回、「X-TRAIL FCV」に搭載されるカーエアコンは、低温における特性に優れた二酸化炭素を冷媒としたシステムであり、冷房は通常のカーエアコンと同様に行いながら、暖房は、冷媒の流路を切り替え、冷媒を圧縮して車室内熱交換器へ流し、放熱させることで、システムを一系統化、効率的に暖房効果を高めている。また、ニ酸化炭素の冷媒は、従来より使用されている代替フロンに比べて地球温暖化への影響が小さいことから、燃料電池車の環境対応効果をいっそう高めることとなる。

二酸化炭素を利用したエアコンの特長は以下の通り。

(1)従来より使用されている代替フロンに比べて、地球温暖化への影響が極めて小さい。

(2)自然界に存在する冷媒であり、不燃性である。

(3)低温での冷媒密度が高く、暖房効果が高い。

(4)工場で排出される二酸化炭素を再利用するため、冷媒の製造プラントが不要であり、排出される二酸化炭素量も削減が可能である。

 本エアコンの実用化は、二酸化炭素の圧縮に必要な耐高温・高圧コンプレッサーの小型軽量化および、コンプレッサーで圧縮された高圧ガスが送られる熱交換器の高圧、高温対策に成功したことによるものである。さらに両社では、ガソリン車への搭載をめざした研究開発を進めている。

以上