日産自動車、車間自動制御システムを開発

平成10年11月25日
日産自動車株式会社
広   報   部

 

日産自動車、車間自動制御システムを開発

 

 

 日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:塙 義一)では、走行中に自車と先行車両との車間距離を設定された距離に自動的に保つ車間自動制御システムを新たに開発した。同システムはITS(高度道路交通システム)への適用を視野に入れて開発したものであり、来年夏に市販化を予定している。

 同システムは、ドライバーが設定した車速(時速約50~100kmの間の任意の車速で設定可能)を上限として、先行車両との車間距離を設定された距離(3段階に設定可能)に保つよう自車速度を自動制御するものである。
具体的には、車両前方に取り付けられたミリ波レーダー※から得られた情報を基に先行車両と自車の車間距離および相対速度を検出し、設定した車間距離を保つようにスロットルアクチュエーター、ブレーキアクチュエーターを制御することにより自車速度を自動制御する。
※ ミリ波レーダー…電波パルスを送信し、前方の物体からの反射波を受信するまでの時間より距離を
          算出し、送信波と反射波の周波数の差から相対速度を算出する。

先行車両が減速した時や自車前方への割り込みなどにより、先行車両との車間距離が設定距離より短くなった場合は、自動的にスロットルを閉じて設定した車間距離に戻るまで自車を減速させる。この際、より大きな減速が必要な状況においては、自動的にブレーキもかける。また、先行車両が車線変更した場合や自車の車線変更などによって車間距離が設定距離より長くなった場合は、スロットルを開けることにより設定車速を上限に緩やかに加速し、再び先行車両との車間距離を設定した距離に保つよう制御する。
なお、同システム作動中にドライバーがブレーキ操作を行った場合は、制御が解除される。また、同システム作動中にドライバーがアクセル操作を行った場合は、運転者のアクセル操作を優先して加速する。

 

<車間自動制御システムの主な特長>

(1) 先行車両との車間距離を設定した距離に保つよう加減速を自動的に行うことにより、交通流に協調した走行を可能にするとともに、ドライバーの疲労も低減する。
(2) 減速時にスロットル制御に加えブレーキ制御を併用することにより、十分な減速能力を有
する実用性の高いシステムとした。また、通常のドライバーの減速操作と同様に滑らかな
減速が可能なブレーキ制御システムとしている。
(3) 雨などの天候状態に関わらず先行車両の認識が可能なミリ波レーダーの採用により、使用可能条件を広げた。

 

 

以 上