関西電力株式会社(以下、関西電力)、住友電気工業株式会社(以下、住友電工)および日産自動車株式会社(以下、日産自動車)は、バーチャルパワープラント※1(以下、VPP)構築実証事業※2において、電気自動車(以下、EV)の充電遠隔制御実験を、本日より本格開始しました。
VPP構築実証事業である「関西VPPプロジェクト」※3では、EVおよびプラグインハイブリッド車(以下、PHV)をエネルギーリソースとして活用した取組みを行っています。
このたび、関西電力の事業所や一般家庭にあるEV/PHV60台に対して、新たに開発したEVスイッチ※4を導入し、充電を遠隔制御する、全国で初めての取組みを実施します。
具体的には、関西電力のVPPサーバ※5と住友電工のEVサーバ※6が、日産自動車のテレマティクスサーバ※7と連携することで得られるEVの車両情報を基に、充電による電力調整可能量を把握するとともに、EVスイッチによって日産自動車製EVの充電を遠隔制御します。また、ユーザーに対してEV使用の参加・不参加を確認するためにスマートフォンアプリを活用することで、実運用を想定した実験を行います。
なお、今回得られた結果から、EVの利用方法や制御データ等を分析し、VPPのエネルギーリソースとしての評価を実施します。
本実験は、電力会社である関西電力、自動車関連機器メーカーである住友電工、自動車メーカーである日産自動車の3社が協力し、VPPシステムとEVの車両情報を連携することで、それらの技術的知見を蓄積するもので、今後のEV普及による運輸部門の低炭素化と電力の安定供給を目指します。
本取組みを通じて、3社は、エネルギーを効率的に活用する社会の実現に貢献してまいります。
※1 電力系統に点在するお客さまの機器をIoT化して一括制御することにより、お客さま設備から捻出できる需給調整力を有効活用し、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させる仕組み。
※2 経済産業省資源エネルギー庁の補助事業である「平成29年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント(以下、VPP)構築実証事業費補助金」を活用して行う実証事業。
※3 関西電力を中心とするVPP実証コンソーシアム。
※4 関西電力および住友電工が開発したEVおよびPHVの充電を制御する機器で、多様な車両に対応しているもの。
※5 取引先から電力調整依頼を受け、調整を行うサーバ。
※6 VPPサーバから指令を受け、EVおよびPHVの充電を制御するサーバ。
※7 EVから車両情報を取得するサーバ。
EVスイッチを活用した電気自動車の充電遠隔制御実験の概要
1.本実験の概要
名 称:EVスイッチを活用した電気自動車の充電遠隔制御実験
実証期間:平成30年1月11日~平成30年2月28日(予定)
実 施 者:関西電力、住友電工、日産自動車
実験内容: | ①EVスイッチを活用した充電遠隔制御技術の構築 |
②充電制御指令に対する電力調整量の評価 |
2.本実験のイメージ
3.関西電力の事業所への導入イメージ
関係各社の概要と本実験における各社の役割
<関西電力株式会社> | |
設 立 | :1951年(昭和26年)5月 |
代表者 | :取締役社長 岩根 茂樹 |
所在地 | :大阪市北区中之島3丁目6番16号 |
事業概要 | :電気事業、熱供給事業、電気通信事業、ガス供給事業等 |
役 割 | :VPPサーバの構築、EVスイッチの開発 |
<住友電気工業株式会社> | |
設 立 | :1897(明治30)年4月 |
代表者 | :社長 井上 治 |
所在地 | :大阪市中央区北浜4丁目5番33号 |
事業概要 | :自動車関連事業、情報通信関連事業、エレクトロニクス関連事業、環境エネルギー関連事業、産業素材関連事業 |
役 割 | :EVスイッチ、EVサーバの開発 |
<日産自動車株式会社> | |
設 立 | :1933年(昭和8)年12月 |
代表者 | :代表取締役社長兼最高経営責任者 西川 廣人 |
所在地 | :横浜市西区高島一丁目1番1号 |
事業概要 | :自動車事業 |
役 割 | :テレマティクスサービスの提供、一部EVの貸与 |
以上