２０００年１１月２０日
日産自動車、’００年度中間期連結決算を発表
日産自動車は本日、’00年度中間期の連結決算を発表した。連結営業利益は1,344億円（12.4億ドル、14.1億ユーロ）、売上高は前年同期比0.9％減の3兆183億円（279.5億ドル，316.1億ユーロ）となり、連結売上高営業利益率は前年同期の1.9％に対し4.5％となった。尚、為替悪化によるマイナス影響は900億円で、ドル平均為替レートは前年同期の117.4円に対し今期は107.2円、ユーロ平均為替レートは前年同期の129.4円に対し今期は102.7円であった。
税引後当期利益は、特別損益項目として429億円（4.0億ドル、4.5億ユーロ）の利益等を計上したことにより、1,720億円（15.9億ドル、18.0億ユーロ）となった。
今回の決算内容は、過去１０年間で最高のものである。このことは、同社が全力を挙げて取り組んでいる日産リバイバル・プランが軌道に乗り、予想以上の成果をおさめると共に、そのコミットメントが着実に実行されていることを示すものである。
－中間期連結決算－
１． 販売台数
同社の’00年度中間期のグローバルでの乗用車及び商用車の小売販売台数は、前年同期の1,265千台に対し1,337千台となった。
国内の販売台数は前年同期比9.4％減の335千台、北米（米国及びカナダ）は前年同期比12.2％増の406千台、欧州は前年同期比4.0％増の289千台、その他の海外市場計は前年同期の255千台に対し20％増の307千台となった。
２． 売上高
’00年度中間期の連結売上高は前年同期比0.9%減の3兆183億円（279.5億ドル、316.1億ユーロ）となった。販売台数が前年同期比で5.7％増えたにもかかわらず、連結売上高が前年同期とほぼ同程度に留まったのは、ＵＳドル及びユーロに対する円高の影響を受けた為である。
３． 営業利益
連結営業利益は1,344億円（12.4億ドル、14.1億ユーロ）となり、売上高営業利益率は前年同期の1.9％に対し4.5％となった。この営業利益の大幅な増加は購買分野でのコスト低減、及び世界の各市場における高収益車種を中心とした販売増によるものである。
４． 経常利益
連結経常利益は前年同期の３倍以上となる1,307億円（12.1億ドル、13.7億ユーロ）となった。これは、営業利益が大幅に増加したことと、自動車事業における実質有利子負債残高の削減及び財務管理の効率化が寄与し、支払い利息などの営業外費用の低減が図られたことによる。
５． 税引前当期利益
連結税引前当期利益は、前年同期の▲3,471億円に対し、1,736億円（16.1億ドル、18.2億ユーロ）となり、5,207億円（48.2億ドル、54.5億ユーロ）の改善がなされた。当社は今回、特別損益項目として429億円（4.0億ドル、4.5億ユーロ）の利益を計上している。
６． 法人税等
法人税、住民税及び事業税は386億円（3.6億ドル、4.0億ユーロ）となる一方、税効果額としてはその一部について認識を開始し557億円（5.2億ドル、5.8億ユーロ）を計上した。
７． 当期利益
連結税引後当期利益は前年同期の▲3,235億円に対し大幅に向上し、1,720億円（15.9億ドル、18.0億ユーロ）となった。
8. 有利子負債と財務状況
自動車事業での実質連結有利子負債残高は1兆1,000億円（101.9億ドル、115.2億ユーロ）となり、前年同期の1兆3,800億円から減少した。また販売金融事業を含む実質有利子負債残高は、2兆4,600億円（227.8億ドル、257.6億ユーロ）となった。
’00年9月末時点の連結株主資本は、’00年3月末時点の9,294億円に対し1,674億円（15.5億ドル、17.5億ユーロ）減少し、7,620億円（70.6億ドル、79.8億ユーロ）となった。
９． ’00年度通期の見通し
’00年度においては、多くの経済及び市場のリスクが依然として存在している。円及び英ポンドはユーロに対して引き続き強含むと見られ、また貴金属などの原材料コスト上昇リスクも懸念される。米国市場の全需は予想より早く下降し、より厳しくなる可能性もある。
一方、多くのプラス要素も存在している。円の対ドルレートは、当初の見通しより今なお有利に推移してきている。またルノーとのアライアンスにおいては、これまで両社がグローバルに協力関係を構築してきた、購買、パワートレインの相互利用やプラットフォームの共同開発といった分野において、引き続き成長の機会をもたらすと見込まれる。そして、同社は引き続き日産リバイバル・プランを迅速かつ力強く推進していくとみられる。
これらのリスクとオポチュニティを踏まえた上で、同社は先月30日に、’00年度通期の連結業績予想について、営業利益で当初予想のほぼ２倍の2,200億円、経常利益で2,000億円、税引後当期利益で2,500億円と大幅な上方修正を行っている。
注記）本発表におけるＵＳドル及びユーロでの金額表示は’２０００年９月末時点のレートの近似値（１ＵＳドル＝108円、１ユーロ＝95.5円）を換算レートとする。
以上