日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は、 高圧水素式燃料電池車「X-TRAIL FCV」の大臣認定を取得し、国内公道走行試験を開始する。
本件は、今年1月に発表した商品・技術やリサイクルを含めた包括的な環境保全の取り組みに関する2005年までの中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2005」に基づくものである。
「X-TRAIL FCV」は同社の電気自動車「ハイパーミニ」等で既に製品化している小型高性能リチウムイオン・バッテリーを搭載した高効率なハイブリッド方式の燃料電池車である。本車両をベースに更なる改良を加え、当初の計画を2年前倒しし、2003年中に限定販売を行う予定である。
<X-TRAIL FCV 主要諸元*>
車両 |
全長/全幅/全高 (mm) |
4465/1765/1790 |
乗員定員 (人) |
5 |
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最高速度(km/h) |
125(国土交通省届出値) |
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モーター |
種類 |
減速機一体型同軸モーター |
最高出力(kW) |
58 |
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燃料電池スタック
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燃料電池 |
固体高分子型 |
サプライヤー |
米国UTCFC社 |
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2次電池 |
2次電池形式 |
リチウムイオン・バッテリー |
燃料装置 |
燃料種類 |
圧縮水素ガス |
最高充填圧力(MPa) |
35 |
日産自動車は、1999年にメタノール改質式燃料電池車「ルネッサFCV」による走行実験を開始し、その後2001年からルノーと共同で850億円を投資する5年間の共同開発プログラムをスタートした。また「California Fuel Cell Partnership」に参加し、2001年4月から「X-TERRA FCV」で米国カリフォルニア州サクラメントを拠点に公道走行実験を実施中である。
燃料電池の優れた効率とゼロエミッション性は、将来の自動車における主動力源のひとつとして有望視されているが、本格的な普及にはコスト低減や燃料供給インフラ整備等の課題があり、これらの解決には未だ時間を要すると考えられる。
日産自動車は、経済産業省の「水素・燃料電池実証プロジェクト Japan Hydrogen & Fuel Cell Demonstration Project」(JHFC プロジェクト) に参加しており、今後の普及に向けたこれらの課題解決の取り組みを加速していく。
日産自動車では、将来を見据えた革新的で創造的な技術開発を積極的に推進すると同時に、広く普及できる、現実的で実効性の高い環境保全技術の商品化を積極的に推進している。同社では、環境保全への着実な取り組みと健全なビジネスの実践は不可分なものであるとの考えの基に、企業としての責任を果たし、人々の生活を豊かにする為に貢献していく所存である。