日産自動車、第58回フランクフルトモーターショーにコンセプトカー「サイパクト」を出品

同時に新型「アルメーラ」を発表
1999年 フランクフルトモーターショー (1999/01/01)

広報第39号
平成11年9月7日

日産自動車、第58回フランクフルトモーターショーにコンセプトカー「サイパクト」を出品

-同時に新型「アルメーラ」を発表-

 

 日産自動車株式会社(本社:中央区銀座、社長:塙 義一)は、第58回フランクフルトモーターショー(会期:9月14日~26日)に、優れた燃費性能とクリーンな排気により3リッターカー*1を実現し、ITS技術の搭載により新しいカーライフを創出するコンパクトスモールクーペ、「サイパクト」を出品する。また、同モーターショーの場においてミディアムサイズのファミリーカー、新型「アルメーラ」を発表する。なお、新型「アルメーラ」のヨーロッパでの発売は2000年の春を予定している。

*1:3リッターカー:ヨーロッパにおけるCO2排出量90g/km(軽油換算で3.4リッター/100km≒30km/リッター)以下の車の呼称。

コンセプトカー NISSAN サイパクト

 

1.コンセプトカー「サイパクト」

 「サイパクト」は、地球温暖化や大気汚染などの環境問題の改善、及び移動中の乗員の様々  な要求・要望に対応しドライバーが思い通りに移動できるドライブ環境の創出を目指し、日産が提案するコンセプトカーである。

 エンジンは、新開発のNEO Di小型直噴ディーゼルターボエンジンを搭載し、3リッターの燃料で100kmの走行を可能とした世界トップレベルの超低燃費、クリーンな排気、小気味良い走りを実現している。小排気量直噴ディーゼル化に加え、アルミ製シリンダーブロックの採用による大幅な軽量化、各種フリクションの徹底的な低減などを行い、燃費の飛躍的な向上を図っている。さらに、日産が世界に先駆けて開発した新燃焼方式「M-Fire燃焼*2」、過給圧を最適にコントロールできる「可変ノズルターボ」、燃料噴射条件を最適にコントロールする「コモンレール式燃料噴射システム」を用いることにより、NOxと黒煙の同時低減による排気改善、出力向上及びエンジン騒音の静粛化を図った。

*2: 燃料噴射時期の最適化、強いスワールの生成、大量EGRを組み合わせた低温予混合燃焼方式。

 ITS技術については、情報サービスを受信するシステムなどを搭載し、ドライバーの利便性や安全性を高め、より新しいカーライフを実現している。さらに、地図データの持ち込みや持ち出しを可能とした「モバイルPCナビ」を採用し、人とクルマの新しいコミュニケーションの形を提案している。

 エクステリアは、コンパクトなボディでありながらダイナミックなアーチ形状のフォルムと立体的なボディサイド、それらを支えるためにボディの四隅一杯に配置したタイヤなどにより、瞬発力を秘めたスポーティなクーペスタイルとした。インテリアについては、室内全体をクリーンなイメージのホワイト&ブルーのカラーコーディネートととするとともに、シンプルで開放感のあるインストルメントパネルにメーターやスイッチ類を機能性を考慮してレイアウトしている。

 パッケージングについては、コンパクトなサイズながら全高を高くし、快適な居住空間を実現している。また、ヒップポイントの地上高を良好な視界と乗降性のしやすさを考慮した高さとしたほか、前後のオーバーハングを短くして取り廻し性を確保するなど街中でも運転のしやすい設計とした。

 安全面では、日産が提唱している安全思想「トリプルセーフティ」に基づき、ABS+ブレーキアシストや、ロードリミッター付プリテンショナーシートベルトなどの安全技術を採用した。

 

<主要諸元>

全長×全幅×全高

(mm)

3,740×1,630×1,420

ホイールベース

(mm)

2,360

トレッド 前/後

(mm)

1,410/1,370

乗車定員

(名)

4

エンジン

直列4気筒小型直噴ディーゼルターボエンジン

最高出力

(kW/rpm)

55/4,200

最大トルク

(Nm/rpm)

160/2,000

トランスミッション

5速マニュアル

サスペンション 前/後

独立懸架ストラット式/5リンクコイル式

タイヤ

175-580 380A(ランフラットタイヤ)

駆動方式

2WD(FF)

 

2.新型「アルメーラ」

 新型「アルメーラ」は、サニー等にも採用している新世代M&Sクラスプラットフォームをヨーロッパで最初に採用するクルマである。

 エンジンについては、環境に優しい1.5リッターから2.2リッターまでのエンジンをラインアップした。新型「アルメーラ」には、直噴ディーゼルエンジンも搭載しているが、これは、ヨーロッパの日産乗用車では初めてのこととなる。

 サスペンションはフロントがストラット式、リヤにはマキシマQXにも採用しているマルチリンク式を設定することにより剛性を高めるとともに、操縦安定性と乗り心地の向上を両立させた。

 安全装備としては、ヨーロッパの日産車として初めてアクティブヘッドレストの採用も行っている。

<第58回フランクフルトモーターショーへのその他の主な出品物>

  • 参考出品車 新型「アルメーラ ティーノ」
  • 2.2リッター直噴ディーゼルターボエンジン「YD22DDT」

 

(了)

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