日産自動車、携帯・自動車電話事業会社の株式を譲渡

日産自動車、携帯・自動車電話事業会社の株式を譲渡

 

 日産自動車株式会社(社長:塙 義一、本社:東京都中央区銀座)は本日、同社が主管企業として出資している携帯・自動車電話事業会社9社の全株式を譲渡することを決定した。ツーカー3社(注1)株については第二電電株式会社に、デジタルツーカー6社(注2)株については日本テレコム株式会社に譲渡する。各社への株式譲渡は、本年度中を目処に完了する予定である。

 日産自動車は1991年に1.5ギガヘルツ無線周波数帯を利用した携帯・自動車電話事業に主管企業として参入する方針を決定。94年より順次営業を開始したツーカー3社、及びデジタルツーカー6社の事業運営に、第二電電や日本テレコムとともに主導的な役割を果たすことで、日本の携帯・自動車電話事業の発展に寄与してきた。
 97年2月には9社による全国ネットワークが完成。通信サービスの向上に伴い加入件数も順調に増加し、9社合計の累計加入数は約540万件(99/6末現在)、シェアも約12%を確保している。収益面においても、ツーカーセルラー東京・東海の2社については97年度に単年度黒字化を果たし、99年度には累積損失が解消する予定であるなど、経営基盤も強化されつつある。

 しかし昨今、通信事業者の再編がグローバルレベルで進展していることに加え、通信技術も飛躍的に高度化してきている。特に、日本の携帯・自動車電話事業者にとって、次世代移動通信システム(IMT-2000)への対応のあり方が喫緊の課題となっている。
 こうした通信業界の状況を踏まえ、将来に亘ってツーカー及びデジタルツーカー各社が企業競争力を維持・発展していくためには、通信の専門会社が中心となって事業区分を越えた一貫サービスの提供や機動的な事業運営を行っていくことが重要と判断し、今回株式譲渡を行うこととしたものである。
 尚、株式譲渡実施後も、ツーカー3社及びデジタルツーカー6社の通信サービス内容は、何ら変わることはない。

 一方日産自動車は、今回の株式譲渡によって財務体質の更なる改善を図るとともに、経営資源を本業である自動車事業に集中させることが可能となる。また、これまで携帯・自動車電話事業で蓄積した通信インフラに関する技術を、引き続きITS(高度道路交通システム)関連の先進技術の開発に最大限活用していく。

以  上




(注1)ツーカー3社


 株式会社ツーカーセルラー東京 
  社 長:中山 一
  資本金:60億円  株主構成:日産自動車26.58% 第二電電26.58% 他
  事業区域:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県、長野県

 株式会社ツーカーセルラー東海
  社 長:藤田恒男
  資本金:30億円  株主構成:日産自動車26.83% 第二電電26.83% 他
  事業区域:愛知県、静岡県、岐阜県、三重県

 株式会社ツーカーホン関西
  社 長:杉本芳彦
  資本金:60億円  株主構成:日産自動車34.62% 他
  事業区域:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、滋賀県


(注2)デジタルツーカー6社


 株式会社デジタルツーカー北海道
  社 長:寺嶋 潔
  資本金:20億円  株主構成:日産自動車23.0% 日本テレコム23.0% 他
  事業区域:北海道

 株式会社デジタルツーカー東北
  社 長:児玉勝彦  
  資本金:30億円  株主構成:日産自動車23.25% 日本テレコム23.25% 他
  事業区域:青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県、新潟県

 株式会社デジタルツーカー北陸
  社 長:米田樹一  
  資本金:20億円  株主構成:日産自動車23.68% 日本テレコム23.68% 他
  事業区域:石川県、富山県、福井県

 株式会社デジタルツーカー中国
  社 長:岡本充生
  資本金:30億円  株主構成:日産自動車21.4% 日本テレコム21.4% 他
  事業区域:広島県、岡山県、山口県、鳥取県、島根県

 株式会社デジタルツーカー四国
  社 長:朝日康之
  資本金:20億円  株主構成:日産自動車21.18% 日本テレコム21.18% 他
  事業区域:徳島県、香川県、愛媛県、高知県

 株式会社デジタルツーカー九州
  社 長:佐藤��司
  資本金:40億円  株主構成:日産自動車21.91% 日本テレコム21.91% 他
  事業区域:福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県