一時は首位に浮上したマクレーが、痛恨のリタイア

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10月12日 第2レグ: モリーブ〜モリーブ 449km

FIAクロスカントリーラリー・ワールドカップ第6戦「UAEデザート・チャレンジ」は10月12日、第2レグが行われた。この日のSSで快調なスタートを決め、ライバル勢に対し大きなアドバンテージを稼いだ日産ラリーレイドチームのコリン・マクレー/ティナ・トルナー組だったが、不運にもCP3を通過した後に、メカニカル・トラブルが発生し、痛恨のリタイアに追い込まれてしまった。

この日、モリーブからのスタートが朝7時30分に予定されていたが、深い霧に覆われていたため安全を考慮して主催者は2時間近くのスタート延期を決定。コンペティターは、一日の中でも最も暑い時間帯で走行することとなった。第2レグのSSは、およそ容易と言える代物ではなく、最後まで砂漠越えやトリッキーなセクションが多く待ち受けた。

この日3番手からスタートし、順調にハイペースを築いたコリン・マクレーは、最初のチェックポイントでは、すでにチームメイトのグレゴワール・ド・メビウスの前に立つ快進撃。CP2では、ド・メビウスの日産ピックアップに30秒以上の差をつけ、さらには、前日首位のカリファ・アル・ムタイウェイを数分も突き放して、首位に浮上した。しかし、サービスエリアとなったCP3で、マクレーは停車して4本全部のタイヤを交換。ここで数分のロスとなり、この間にデ・メビウスが再び上位に立った。しかしCP3通過後、マクレーの事態は暗転。エンジンがオーバーヒートし始め、砂丘のセクションに入ると、マクレーとトルナーはくぼ地に立ち往生してしまう。ステファン・ペテレンセルがこのトリッキーなエリアを2周し、レスキューを行うための手段を探したが、マクレー車を救出することができなかった。結局、261号車のカマス(トラック)が日産ピックアップの引き上げに協力。しかし、この時点でベンチレーターが故障、さらに電気系トラブルがオーバーヒートとエンジン不調を引き起こし、残念ながら、リタイアが確定となってしまった。

非常に残念な結末を迎えたマクレーは、「今日のステージは、ペースも上がりいいスタートだった。砂丘でもマシンは好調だっただけに、本当に悔しい。砂丘越えには何の問題も起きなかったし、砂でスタックすることもなかった。完走を目指してがんばっていただけに、メカニカル・トラブルでリタイアとなったのは本当に残念だ」と語った。

日産ラリーレイドチームのチームマネージャー、ジル・マルティノーも、「コリンが砂漠での経験を積んでこのラリーを完走するのを楽しみにしていたが、叶わなかった。グレゴワール(ド・メビウス)が、今日の夕方には首位に立てるといいのだが。彼は全力を尽くしているので、少なくとも表彰台でフィニッシュできるよう、祈るよ。12日後、ポルトガルでまた会おう。この時は、新型日産ピックアップ2005を出場させる予定だ」と、この結果に無念の様子だった。

コリン・マクレーにとってのUAEデザート・チャレンジは、早すぎる結末を迎えたが、日産ラリーレイドチームは、10月21-24日のバハ・ポルトガルで2ヶ月後のダカールに向けて日産ピックアップ2005のシェイクダウンを予定しており、マクレーは、ここで初めて新型車の実戦ドライブを行う。

主な順位は以下のとおり。

第2レグ結果 モリーブ〜モリーブ(449km)

順位

ドライバー

マシン

タイム

1

増岡/シュルツ

三菱パジェロ Evo2

3:26.01

ド・メビウス/デュボワ

日産ピックアップ

3:26.19

3

ペテランセル/コトレ

三菱パジェロ Evo3

3:29.17

4

サビー/ペラン

VW トアレグ

3:33.44

5

アル・ムタウェイ/ゲーネック

BMW X5

3:34.41

7

カンクネン/レポ

VW トアレグ

3:53.34

マクレー/トルナー

日産ピックアップ

総合順位 (第2レグ終了後)

順位

ドライバー

マシン

タイム

ド・メビウス/デュボワ

日産ピックアップ

6:49.23

2

アル・ムタウェイ/ゲーネック

BMW X5

6:57.20

3

カンクネン/レポ

VW トアレグ

7:02.33

4

増岡/シュルツ

三菱パジェロ Evo2

7:02.49

5

マイヤー/マーニュ

三菱パジェロ

7:56.07

マクレー/トルナー

日産ピックアップ

以 上