日産自動車、塗装工場からの環境負荷を半減する塗装技術を開発

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)は18日、塗装工場からの環境負荷(CO2及び VOC*1)を半減する塗装技術を新たに開発したと発表した。この新技術は従来比2倍の高速塗装を実現するもので*2、世界最小規模での自動車塗装を可能とし、これにより環境負荷を従来比最大で50%削減可能としている*3

自動車塗装工場は空調で加熱、冷却、加湿を行なう為に、全工程の約1/4のエネルギーを消費している*4。また近年環境対応で水性塗料への転換を進めているが、これは一方で水分を蒸発させる為のエネルギー増加の要因となっている。本技術は工場自体を最小規模化することにより使用エネルギーを大幅に削減し、それによりCO2排出量の削減を図るものである。またVOCに関しても塗料及び洗浄溶剤の廃棄量を最大50%削減可能であり*5、資源の有効利用にも貢献する。

本技術は塗り幅と塗布量を自由に変化させながら部位に応じて自在に塗り分ける技術で、メタリック塗装においては困難とされてきた、「塗り方を変えても色は一定にする」という課題をミクロンレベルの塗料微粒子コントロール技術によって解決するものである。これにより塗料をムダにせず広面積を一度に塗る事が可能となり、塗装装置を半数に減らす事が可能となった。

日産は、2008年7月1日に環境省より認定を受けた「エコ・ファースト企業」として、今後この新技術を中期環境行動計画 「ニッサン・グリーンプログラム2010」の実行方策として同社のグローバル生産拠点に順次採用して行く予定である。

*1: VOCとは揮発性有機化合物のこと
*2: 自社算出基準による
*3: 外板塗布工場
*4: 1年間で東京ドーム2,600杯分の空気を空調している
*5: 工程の構成により削減量は異なる

以 上