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日産自動車、「日産リーフ」の試作車を公開

歩行者に電気自動車(EV)の接近を知らせる車両接近通報装置を搭載
「日産リーフ」グローバル試乗会

日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区 社長:カルロス ゴーン)では11日、2010年12月の電気自動車(EV)「日産リーフ」の発売に先駆け、この程同車の試作車が完成した。同社は、昨年8月にグローバル本社を横浜に移転した際、「日産リーフ」のコンセプトカーを初披露したが、この度、本年10月の本格生産開始に先立ち、6/11〜19に実施するマスコミ、アナリスト、株主等約500名を対象とした試乗会にて同車を公開した。

同車は、あらゆる意味合いで、「新しいクルマ」であり、「走行中の排出ガスがゼロという圧倒的な環境性能」、「EVとしてお求めやすい価格」、「先進のITシステム」だけでなく、「EVを所有する新しい暮らし」、「高い加速とハンドリング性能」といった特長を持っている。

日産は同時に、歩行者が電動走行する電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)の接近を認識しやすくする車両接近通報装置を開発し、同車に搭載すると発表した。本機能の搭載については、他社に先駆けて発表するものである。EVやHEVへの車両接近通報装置搭載については、本年1月に国土交通省より「ハイブリッド車等の静音性に関する対策のガイドライン」が発行されている。

同社は、電動走行時に走行音の静かなEV、HEVの接近に歩行者が気づきにくいとの指摘に対して、従来より開発を進めてきた車両音に対する技術を活用し、国内外での実証試験を元に特徴のある音を実現した。車外では認識しやすい一方で、車内では聞こえにくい音を開発することで、歩行者の車両接近に対する認識の向上とドライバーの快適性を両立させている。

車両接近通報装置の機能

  • 「日産リーフ」は、走行中、車速に応じて音の高さを変えるスイープ音を搭載し、車の加速、減速などの走行状態を表現する。車両発進時は、音の変化も大きくなり、歩行者がEVやHEVの発進に気づきにくい点を解決する。
  • 時速30kmまでの発進加速時は車両音を発する。
  • 時速30km以上の車両走行音が高まる速度域では音を停止する。
  • 減速時に、時速25km以下となり車両走行音が低くなると音が出始める。
  • 車両後退時は、断続的な音で、車両が後退していることを報知する。
車両接近通報装置のメカニズム
車両接近通報装置のメカニズム

コントローラーに内蔵されたコンピューターとシンセサイザーで、車両の車速や前進および後退時に合わせた音を作り、モータールーム内に設置したスピーカーを通じ音を発生させる。なお、スイッチ操作により、発生を停止することができる。

同社は、今秋より発売するフーガハイブリッドにも車両接近通報装置を搭載する予定である。

「日産リーフ」は、2010年12月より日本、米国、ポルトガル、オランダにて、2011年2月より英国、アイルランドにて販売が開始され、2012年よりグローバルに量販を開始する。生産は、まず2010年10月より追浜工場で開始され、2012年後半には米国スマーナ工場にて、2013年には英国サンダーランド工場でも生産を開始する予定である。追浜工場における同モデルの生産能力は年間5万台であり、日産とNECの合弁会社で、座間にあるオートモーティブ・エナジー・サプライ株式会社(AESC)製のリチウムイオンバッテリーを搭載する予定である。AESCの座間事業所におけるバッテリーの生産能力は、当初年間6万5千基であり、この内、EV用は年間5万4千基を予定していた。しかしながら、今後の需要を見込み、EV用バッテリーの生産能力を2011年までに3万6千基増やし、年間9万基とする。

<関連URL>
日産ゼロ・エミッションサイト
「日産リーフ」サイト

以 上