スカイラインGT-R、シルビアがJGTC第4戦を制覇

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スカイラインGT-R、シルビアがJGTC第4戦を制覇

 全日本グランドツーリングカー選手権第4戦が7月11日、山口県セントラルパークMINEサーキットで開催された。このレースでスカイラインGT-Rをドライブしたエリック・コマス/本山哲組は終盤激しいトップ争いを演じた末、今季初優勝を果たした。GT300 クラスではシルビアを駆る土屋武士/井出有治組がスタートからトップに立ち、そのままクラス優勝した。

全7戦で争われる選手権の折り返し点となる第4戦CP MINE GT RACE。日曜日の決勝レースには薄曇りの中、42,200人(主催者発表)のファンが詰めかけた。 76周先のゴールへ向けてシグナルがグリーンに変わると、4台のスカイラインGT-R勢は8位につけた本山哲選手の#1を先頭に、#12の星野一義選手、#2の鈴木亜久里選手、さらに#3の長谷見昌弘選手の順で上位をキープしつつ安定したペースで走行。追い上げのチャンスをうかがう。

レースが進むにつれてコース上はスピン、コースアウトするマシンが続出するが、その中でGT-R勢は着実に走行し、次第に順位を上げて行った。中盤に入ると各チームがドライバー交代、給油、タイヤ交換のためのピットストップを行うが、ここで早いピット作業にも助けられてGT-R勢が一気に上位に進出した。特に#1のステアリングを引き継いだコマス選手は2位に上がり、ギアボックスにトラブルを抱えながらも、トップを行くスープラの片山右京選手との差を少しずつ詰め始めた。4位の#2のクルム選手も3位を走行するホンダNSXの中子修選手を追撃。中盤から終盤にかけて、コマス選手とクルム選手の駆る2台のスカイラインGT-Rは、コース上のどのマシンよりも速いペースで周回し、前車との差をじりじりと詰めて行った。60周目を迎えると首位片山選手と2位コマス選手との差は1秒以下に詰まった。そしてゴールまで残り10周となったところでコマス選手が猛チャージ。何度も片山選手に並びかけるトップ争いに、観客席は興奮の坩堝と化した。残り5周となった71周目、コマス選手はついに片山選手を抜き去った。トップに躍り出たコマス選手はそのままポジションを堅持し、今季初優勝を果たした。一方、4位を快走していたクルム選手は駆動系のトラブルにより71周でレースを終えた。これにより長谷見選手から#3のステアリングを引き継いだ田中哲也選手は4位に、序盤フライングスタートによるペナルティストップで遅れた#12を後半ドライブした影山正美選手が6位に浮上してゴールした。GT300 クラスは#15シルビアを駆る若手コンビの土屋武士/井出有治組がスタートからトップに立ち、終始安定した速いペースで走行。これに、予選でコースレコードをマークしてGT300 クラスのポールポジションにつけた福山英夫/大八木信行組が続いたが、大八木選手がドライブ中にホイールを破損。18周を終えたところでリタイアした。#15シルビアは井出選手に交代したあとも首位をキープし、そのまま優勝した。尚、コマス選手は今回の優勝により選手権ポイントを49とし首位に立った。

エリック・コマス選手
「本山選手から無線で4速を失ったことを聞いた時、これで表彰台はなくなった、と思った。4速なしで優勝出来たのは、何よりチームが良い仕事をしてくれたからだ。チームの皆に感謝している。それに今日はレースを楽しむことが出来た。片山右京選手とはハードだが、フェアな戦いをすることが出来た。」

本山哲選手
「優勝出来て大変うれしい。ギアボックスにトラブルが出たので、完走出来るとは思えなかった。しかしそれ以外ではスカイラインGT-Rはセッティングも決まり、良く走った。また、チームのピットワークが非常に迅速だったので、これが順位を上げることにつながった。」

 

 

 

以 上