スカイラインGT-Rが2年ぶりの優勝を1-2フィニッシュで飾る

GT300はフェアレディZが2位表彰台に

レースレポート

 

 

 

 

 

 

 

5月4日、静岡県 富士スピードウェイ

好天に恵まれた全日本GT選手権(JGTC)第2戦決勝日には、過去最高の6万6000人のファンが富士スピードウェイに詰め掛けた。気温25℃、路面温度37℃でやや蒸し暑い天候のもと、13時55分に114周の決勝はスタートを切った。スタートドライバー[1]は、#22モチュールピットワークGT-R(予選3位)が影山正美、#23ザナヴィニスモ GT-R(予選8位)が本山哲、#12カルソニックスカイライン(予選10位)がブノワ・トレルイエ。

レース開始4周目に#12GT-Rが#23GT-Rをかわして8位に浮上すると、7周目に7位、9周目には5位、11周目には4位へとポジションアップ。13周目に2位走行中の#36スープラがホイールのトラブルでピットインすると、GT-R勢は2位(#22)、3位(#12)、6位(#23)へ順位を上げた。スピードに乗る#12GT-Rのトレルイエは、17周目の1コーナーで#22GT-Rの影山を捕らえて逆転。さらに30周目には#23GT-Rが5位へ上がり、トップ5にGT-R 3台全てが食い込んだ。

37周目、#12GT-Rが計画通りのピットインを行い、ドライバーはトレルイエのまま燃料補給、タイヤ交換を済ませてコースに復帰。NISMOの2台、#22GT-Rは39周で、#23GT-Rは41周でそれぞれピットインして、スムーズなドライバー交代、燃料補給、タイヤ交換を済ませた。

上位陣の一回目のピットがひと段落した44周目には、#12GT-Rのトレルイエがトップの#38スープラと2.4秒差の2位、#22GT-Rのリチャード・ライアンが3位、#23GT-Rのミハエル・クルムが6位。さらにクルムは49周目に再び5位へポジションを上げた。

その後トレルイエはさらにペースを上げ、63周目にはトップに0秒738の差まで追い上げる。続いて#12GT-Rの背後には、猛烈な速さでライアンが迫っていた。次の64周目にライアンは#12GT-Rをパスして2位へ浮上すると、#38スープラを追い詰め72周目でついにトップへ。#38スープラは次の周にスピンしてガードレールへクラッシュ。これで#12GT-Rが2位へ上がりGT-Rの1-2態勢となった。

#12GT-Rは74周目に2回目のピットインを行い、ドライバーを井出有治に交代。78周目には#23GT-Rが、81周目には#22GT-Rが同じくピットストップを済ませ、ドライバーはそのままでコースに復帰。GT-R勢は1位-2位-5位のポジションをキープしたままレース後半に突入した。

88周目、3位走行中の#38スープラがレース除外となった。これはクラッシュした際に破損したフロントフェンダーを修復するようオフィシャルから指示が出されたにもかかわらず、これを4周にわたって無視したためで、これにより#23GT-Rも4位へポジションアップ。

#22GT-Rのライアンはペースを緩めず、2位に#12GT-Rの井出を従えて、歓喜のチェッカーを受けゴール。GT-Rは2001年8月の第4戦以来、約2年ぶりの優勝をその時と同じ1-2フィニッシュで飾った。#23GT-Rは終盤に3位の#39スープラを追い詰め、僅差の4位でゴール。
GT300クラスでは、予選2位の#3ハセミスポーツ・エンドレス・Zが、応援団を沸かす走りを披露した。木下みつひろがスタートを担当し、2位をキープ。最初のピットストップで柳田真孝がバトンを受け取ると最後までトラブルもなく走りきり2位でチェッカーを受けた。シルビア勢では、予選16位の#81ダイシンADVANシルビアがステディな走りでポジションを上げていき6位でゴールしてポイントを獲得。予選20位の#51C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビアも、13位でゴールした。

リチャード・ライアン選手(GT500クラス優勝/#22モチュ−ルピットワークGT-R)
「グランドスタンドで日産の旗を振り続けてくれたファンの皆さんに感謝します。とても心強かった。メカニックも、ドライバーも、チームの皆が100%力を発揮できたことが勝因です。テストからこのクルマはとても速いことがわかっていたので、完走さえすれば、良い結果がついて来ると信じていました。レースでは、タイヤやギアボックスを酷使しないように気をつけて走りました。今年の素晴らしいチャンスをくれた日産の期待に応えられて良かったです」

井出有治選手(GT500クラス2位/#12カルソニックスカイライン)
「新車を投入したレースで表彰台に上がれたので素直にうれしいです。(自分自身としては)先週のフォーミュラ・ニッポンで3位、今日が2位なので、次(GT第3戦)は優勝ですね。それまでには(車を)もっと速くして臨みます」

柳田真孝選手(GT300クラス2位/#3ハセミスポーツ・エンドレス・Z)
「2回目のピット作業では左側のタイヤだけを交換したので、終盤は右のタイヤがちょっとつらかったです。ずっとプッシュし続けたんですが、トップには追いつけませんでした。でも2戦目でZを表彰台に乗せられたので、開発を更に進めて優勝を目指します」

以上


[1] JGTCでは2名のドライバーが交代でレースを走る。