レースレポート
2003年08月04日
日産自動車株式会社
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社
8月3日、静岡県 富士スピードウェイ
全日本GT選手権（JGTC）第5戦が8月3日(日)に富士スピードウェイで開催され、本山哲/ミハエル・クルム組の#23ザナヴィニスモGT-Rがトップと僅か0.49秒差の2位に入った。影山正美/リチャード・ライアン組の#22モチュールピットワークGT-Rは一時6位となるが、他車との接触により10秒間のペナルティエリアストップが課せられ11位に後退。#12カルソニックスカイラインは、序盤に他車と接触、リアウィングなどを破損して12周遅れの33位完走となった。
シリーズポイントランキングでは、本山/クルム組が2位の#1スープラに6点差をつける単独トップとなり、チャンピオン獲得に向けて大きな一歩を踏み出した。また、今回の結果によって、スカイラインGT-R勢は開幕戦から5戦連続表彰台獲得を果たした。
決勝レースを前に、日産自動車のカルロス・ゴーン社長がサーキットに姿を現した。前日、横浜F・マリノスが達成したステージ優勝の勢いをこのレースにもつなげたいゴーン社長は、ドライバーひとりひとりに激励の言葉をかけていた。また、グランドスタンドの日産応援席に向かって手を振ると、チームカラーの赤一色となった応援席は大きな歓声でそれに応えていた。
午後3時にスタートしたレースでは、10番グリッドから好スタートを切った#12のブノワ・トレルイエが僚友の#22GT-Rを抜いて9位に。4周目にはさらに#23GT-Rを抜いて8位となった。しかし、9周目の第1コーナーへの侵入で影山正美の#22GT-Rと#12GT-Rが接触、トレルイエはスピンしてリアウィングを損傷、修復のためピットに戻った。
#12との接触のあと影山は15位まで順位を落としたが、その後挽回し10位に浮上したところでピットイン、リチャード・ライアンにバトンタッチした。ライアンは、8位で序盤を周回、残り20周ぐらいからペースを上げてポジションアップを図った。47周目に#25スープラをかわして7位となったが、その周回のヘアピンカーブでGT300車両のイン側についた際にブレーキがロックし、減速しきれずに同車のドアにノーズをヒット、アウト側に押し出す形となった。その後、5位の#36スープラに追ったところで、この接触事故に対するペナルティが課せられた。60周目にピット出口で10秒間のペナルティエリアストップを実行し、コースに戻ったがポジションは11位に後退、そのままチェッカーフラッグを受けた。
ミハエル・クルムが8位からスタートした#23ザナヴィニスモGT-Rは、12周目には#25スープラを抜いて7位となる。クルムの猛チャージは続き、26周目には3位の#37スープラも抜いてピットインし本山に交代した。本山は前を行く#18 NSXを追い抜く事に神経を集中したが、今回から新エンジンを積んで速さを取り戻したNSXに僅かに及ばず3位は確定かと誰もが感じていた。しかし、一時2位以下に13秒以上の大差をつけて逃げ切り体制に入っていた#38スープラが最終周に突然ペースダウン。#18と本山の#23がこれをかわして劇的な逆転を果たした。
GT300クラスでは、木下みつひろ/柳田真孝組の＃3ハセミスポーツ・エンドレス・ZがGT500車両との接触でリタイアとなったが、星野一樹/植松忠雄組の＃81ダイシンADVANシルビアが2位表彰台を獲得した。また尾本直史/加藤正将組の＃51 C-WEST・AUTOSTAFF・ADVANシルビアは8位で3ポイントを獲得した。
レース終了後にゴーン社長は、日産応援席に立ち寄り、サポーターに挨拶、「大変良いレースを見せてくれて、結果についても満足しています」とコメントを残した。
#23本山哲
「前半はタイヤをセーブしていたのですが、#18だけはどうしても捕らえたいと思っていました。でも、（#18の）道上選手にも隙がなく、どうしても抜けませんでした。結果は良かったと思います。次のもてぎは僕の得意なコースだし、GT-Rにも向いていると思います。でも、ハンディキャップウェイトのこともあるので、確実にポイントを取れるようにがんばります」
柿元監督
「#23が2位表彰台でポイントランキングが単独トップとなったことは大変嬉く思います。ゴーンさんに表彰台を約束していたので、それが果たせてホッとしています。次のもてぎでは他のNSXも強敵になると思いますが、良い勝負ができると思います。しかし、今回はGT-R同士で致命的な接触トラブルを起こしているし、ペナルティをもらったことも私としては大きな反省です」
以上