日産自動車株式会社
ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社
6月26日 セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)
6月26日(日)、SUPER GT第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット(1周5.542km)で開催され、予選4位からスタートしたザナヴィ ニスモZ(#1、本山哲/リチャード・ライアン組)が激しい接戦の末、劇的な逆転優勝を収めた。また、予選11位からスタートしたミハエル・クルム/柳田真孝組のモチュールキーバリューZ(#22)*は、レース中盤から徐々に順位を上げ、6位でフィニッシュした。
この日のセパンサーキットは晴れで、レースがスタートした午後4時時点で気温は34度、路面温度は50度を超えていた。45,000人の観衆が見守る中、54周のレースは1周のフォーメーションラップの後にスタート。#1をドライブする本山は、3周目に#32 NSXを抜き、5周目には#6スープラを捕らえて早くも2位に浮上する。しかし、首位の#8 NSXはさらにハイペースでレースをリードしていった。本山は、NSXのテールを睨みながら間合いを徐々に詰め、一時7秒以上に広がった差を20周目には約3秒まで縮める。そして25周目にピットインし、ライアンに交代した。ニスモの迅速なピットワークでコースに戻った#1は、アウトラップにも関わらず#8の背後にぴたりとつける。ライアンは、そのままの態勢で後半に突入した。この間2台のタイム差は常に1秒以内であった。そして、44周目の第1コーナーでチャンスを捕らえて#8を抜く。その後は間隔を広げて行くかに見えたが、52周目に入る最終コーナー手前で#8にパスされてしまう。しかし、最終コーナーで再びライアンが仕掛けて首位を奪還すると、そのまま54周目のフィニッシュラインを駆け抜けた。
ルーキーの柳田真孝がスタートドライバーを務めたモチュールキーバリューZ(#22)は、11番グリッドからレースをスタートし、序盤は一時10位を走ったが、その後リスクをさけて後続に先行を許すことに。そして、路面温度・気温ともに最も高い時間帯をステディに走り、柳田は21周目にミハエル・クルムにドライバー交代した。ピットインでタイムをロスするライバルを尻目に、全車がコースに戻った28周目には7位にまで浮上。その後6位に上がり、クルムは終盤を迎えた。スピンして後退していた#18 NSXが#22の背後に迫り、激しくプッシュしてきたが、クルムはこれを巧みに抑え、6位でチェッカーフラッグを受けた。
公式予選から#1 Zに続いて好調であったカルソニックIMPUL Z(#12)は、5番手からブノワ・トレルイエがレースをスタート。序盤のうちに上位進出を図りたかったトレルイエは、先行車を激しく攻めたが、5周目に痛恨のコースアウトを喫する。そのままコースに戻ったが、順位を14位まで落としてしまう。その後徐々に順位を上げながら井出有治に交代。井出は8位までポジションを上げゴールを迎えた。
9番手スタートの#3 G’ZOX・HASEMI・Zは、金石年弘が序盤を担当。6位に上げてピットインし、エリック・コマスにドライバーチェンジしたが、4位で走行中に序盤の接触事故がドライブスルーペナルティの裁定を受けた。13位でレースに戻ったが、その後さらに他車に接触され、37周目にコースサイドにストップ。そこでリタイヤとなった。
今季初優勝した#1の本山哲/リチャード・ライアン組は、シリーズポイントで首位に立ち、3年連続チャンピオン獲得に向けて一歩を踏み出した。
【#1 本山哲のコメント】
「僕もリチャードも今日は完璧でした。今年は既に1レースを落としているので、チャンピオンシップを考えると、どうしても今回は最低でも2位に入るという意気込みでここに来ました。セパンでは暑さが最大の敵で、クルマにもタイヤにも厳しいのですが、チームが素晴らしいクルマを準備してくれたし、レースでも良い仕事をしてくれました。思い通りのレースができて大変満足していますし、日本国外にも関わらずコースのあちこちで赤い旗やTシャツが見え、日産サポーターが応援してくれたことが心強かったですね」
【#1 リチャード・ライアンのコメント】
「パーフェクトでした。(本山)サトシが完璧な状態でクルマを渡してくれました。#8には序盤から仕掛けて行くとリスクを負うと考え、安全にしかも確実に走りました。後半チャンスが訪れたのでパスしましたが、そのあと少し気が緩んでしまいましたね。(伊藤)ダイスケに抜き返されて目が覚め、またトップを奪い返しました」
【総合結果】 54 Laps
Pos
|
No
|
Machine
|
Driver
|
Time
/ Behind
|
|
|
ザナヴィニスモZ
|
本山哲/R.ライアン
|
1:52’39.660
|
2
|
8
|
ARTA NSX
|
伊藤大輔/R.ファーマン
|
+4.499
|
3
|
36
|
DYNACITY
TOM’S SUPRA
|
土屋武士/J.コートニー
|
+15.375
|
4
|
6
|
エッソウルトラフロースープラ
|
脇阪寿一/飯田章
|
+26.485
|
5
|
32
|
EPSON
NSX
|
松田次生/A.ロッテラー
|
+27.271
|
|
|
モチュールキーバリューZ
|
M.クルム/柳田真孝
|
+33.687
|
7
|
18
|
TAKATA童夢NSX
|
道上龍/小暮卓史
|
+33.952
|
|
|
カルソニック
インパル Z
|
B.トレルイエ/井出有治
|
+50.395
|
9
|
39
|
デンソー
サードスープラGT
|
A.クート/R.クインタレッリ
|
+53.469
|
|
|
G‘ZOX・HASEMI・Z
|
金石年弘/E.コマス
|
-
|
【シリーズポイント】 ドライバーズランキング
Pos
|
No
|
Machine
|
Driver
|
Points
|
|
|
ザナヴィニスモ
|
本山哲/R.ライアン
|
31
|
2
|
36
|
DYNACITY
TOM’S SUPRA
|
土屋武士/J.コートニー
|
28
|
3
|
8
|
ARTA NSX
|
伊藤大輔/R.ファーマン
|
27
|
4
|
38
|
ZENT
セルモスープラ
|
立川祐路/高木虎之介
|
23
|
|
|
モチュールピットワーク
Z
|
M.クルム/柳田真孝
|
23
|
6
|
25
|
ECLIPSE
ADVAN スープラ
|
織戸学/D.シュワガー
|
22
|
7
|
6
|
エッソウルトラフロースープラ
|
脇阪寿一/飯田章
|
16
|
7
|
32
|
EPSON NSX
|
松田次生/A.ロッテラー
|
16
|
9
|
35
|
イエローハットYMSスープラ
|
服部尚貴/脇阪薫一
|
15
|
|
|
G‘ZOX・HASEMI・Z
|
金石年弘/E.コマス
|
14
|
11
|
37
|
DYNACITY TOM’S SUPRA
|
片岡龍也/山本左近
|
11
|
12
|
18
|
TAKATA童夢NSX
|
道上龍/小暮
|
8
|
|
|
カルソニック
インパル Z
|
B.トレルイエ/井出有治
|
3
|
*:今回、22号車は「ピットワーク」の海外ブランド「キーバリュー」の呼称を用いてエントリーした。
以上