NISSAN GT-Rがポールtoフィニッシュ

SUPER GT第3戦レースレポート
Super GT 第3戦 [富士スピードウェイ]

5月4日 富士スピードウェイ(静岡県)
SUPER GT第3戦決勝レース(88周)が当地で行われ、ポールポジションからスタートした「MOTUL AUTECH GT-R」(#1本山哲/ブノワ・トレルイエ)が今季初優勝を飾った。

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ゴールデンウィーク恒例のイベントとして定着したSUPER GT第3戦。今年の決勝レース日は、薄曇りながら穏やかで暖かい一日となり、家族連れなど50,000人もの観客が集まった。通常のSUPER GTはレース距離300kmで競われるが、今回のレースは400kmの設定。さらに、レース中に2回のピットインが義務づけられており、各チームとも様々な戦略を練って決勝レースに臨んだ。

前日に行われた公式予選で、前戦の鈴鹿に続いてポールポジションを獲得した#1 GT-Rは、本山哲が決勝のスタートドライバーをつとめた。一周目からリードを築きたい本山に対し、各車とも序盤での逆転をもくろんで盛んに本山の背後を狙った。その序盤の混戦の中、9周目に#1 GT-Rをかわして首位に躍り出たのは「HIS ADVAN KONDO GT-R」(#24 ジョアオ・パオロ・デ・オリベリラ/荒聖治)であった。20周目にピットインするまで、#24 GT-Rはリードを続けた。ピットワークの差で#1 GT-Rが先行してコースに復帰するものの、レースリーダーは#36レクサスSC430に代わっていた。ドライバー交代した#1 GT-Rのトレルイエは、チャンスをうかがいながら#36 SC430を追い、タイム差を広げずに後半へと突入した。

60周目にピットインし迅速なピットワークでコースに戻ると、ふたたび逆転に成功。#1 GT-Rは約6秒の差をつけて、首位に返り咲いた。その後、残りの周回を走った本山は、後続との間合いを図りつつ、安定したラップタイムで走行。トップ奪還を目指す#36 SC430が盛んに追い上げ、また、GT500クラスの周回遅れに進路を塞がれたため最終ラップには0.2秒差まで詰め寄られたが、隙を見せずにゴールラインを走り抜けた。

予選8位の位置から飛び出して序盤にオリベイラがトップを快走した#24 GT-Rは、1回目のピットイン後3位を走行。開幕戦の岡山で優勝している同車は46kgのハンディウェイトを積んでいたが、GT-R勢の中で最も重い車重にも関わらず、それを感じさせない走りに注目が集まった。レース中盤の周回を担当したドライバーの荒は、後続車に仕掛けられるたびに巧みにこれらをかわし、3位を守ったまま2度目のピットインに滑り込んだ。#24 GT-Rは、オリベイラがドライブした残り周回も軽やかな走りが印象的だった。しかし、それを上回る猛烈なペースの#8 NSXに4位を明け渡してしまう。その後、さらに後続車が追いすがりテールトゥノーズの接戦を繰り広げたが、オリベイラが4位を堅守。そのままチェッカーフラッグを受け、ポイントランキング首位となった。

予選7位の「HASEMI TOMICA EBBRO GT-R」(#3 ロニー・クインタレッリ/安田裕信)は、クインタレッリが決勝レースをスタート。序盤の混戦で一時10位に順位を落としたが、1回目のピットインで交代したルーキーの安田はハイペースで上位車に迫り、途中7位にポジションアップを果たす。その後、3回目の走行を担当したクインタレッリは安定した周回を重ね、総合7位でレースを終えた。

予選スーパーラップで4位のタイムを出した「IMPULカルソニックGT-R」(#12 松田次生/セバスチャン・フィリップ)は、オープニングラップの混戦状態の中、ヘアピンで行き場を失った松田が先行車両に接触。フロントセクションを破損して早くもピットインすることに。修理してコースに復帰したが、その後このアクシデントに対するドライブスルーの裁定を受けて再びタイムロスとなった。その後もパンクや駆動系のトラブルなどの不運もあり、63周まで走行してレースを終了した。

■ニスモ監督 鈴木豊のコメント 
「ずっと送り続けていただいたファンの皆様のご声援のおかげで、なんとか勝つことができました。ありがとうございました。開幕戦、そして第2戦の鈴鹿とアンラッキーが重なりましたが、気持ちを入れ替えてこのレースには必勝態勢で臨みました。背水の陣というか、何としても勝ちたいという気持ちがチーム全体に行き渡っていたので、皆よい仕事をしてくれたと思います。本当にうれしいです」
■#1「MOTUL AUTECH GT-R」ドライバー 本山哲のコメント 
「皆さん、お待たせしました。今回は三度目の正直と思い、絶対にポイントはほしい、できれば優勝したいと思っていました。結果として優勝することができ、嬉しい気持ちと同時に安心しています」
■#1「MOTUL AUTECH GT-R」ドライバー ブノワ・トレルイエのコメント 
「ファンの皆さんの応援と、スタッフの頑張りで優勝することができました。ありがとうございました」

【総合結果】 88Laps
PosNoMachineDriverTime / Behind
1 1 MOTUL AUTECH GT-R 本山哲/B.トレルイエ 2:26'09.788
2 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー +0.219
3 8 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 +18.997
4 24 HIS ADVAN KONDO GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 +39.195
5 35 KRAFT SC430 石浦宏明/大嶋和也 +45.975
6 6 ENEOS SC430 伊藤大輔/B.ビルドハイム +47.407
7 3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R R.クインタレッリ/安田裕信 +1'13.285
8 32 EPSON NSX L.デュバル/中山友貴 +1'13.515
9 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン +1'34.186
10 39 DUNLOP SARD SC430 A.クート/平手晃平 +1'38.599
15 12 IMPUL カルソニック GT-R 松田次生/S.フィリップ 25Laps
【シリーズポイント】 ドライバーズランキング(第3戦終了時点)
PosNoMachineDriverPoints
1 24 HIS ADVAN KONDO GT-R J.P.デ・オリベイラ/荒聖治 31
2 36 PETRONAS TOM'S SC430 脇阪寿一/A.ロッテラー 30
3 38 ZENT CERUMO SC430 立川祐路/R.ライアン 27
4 8 ARTA NSX R.ファーマン/伊沢拓也 22
5 18 ROCKSTAR 童夢 NSX 道上龍/小暮卓史 21
6 1 MOTUL AUTECH GT-R 本山哲/B.トレルイエ 20
7 12 IMPUL カルソニック GT-R 松田次生/S.フィリップ 19
8 6 ENEOS SC430 伊藤大輔/B・ビルドハイム 14
9 35 KRAFT SC430 石浦宏明/大嶋和也 12
10 17 KEIHIN NSX 金石年弘/塚越広大 11
11 32 EPSON NSX L.デュバル/中山友貴 9
12 3 HASEMI TOMICA EBBRO GT-R R.クインタレッリ/安田裕信 4

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上