NISSAN GT-R、チェッカー2分前にリタイア

FIA GT1世界選手権第5戦(ベルギー)レースレポート
FIA GT1世界選手権第5戦 [スパ・フランコルシャンサーキット(ベルギー)]

7月31日 スパ・フランコルシャンサーキット(ベルギー)
FIA GT1世界選手権第5戦は、7月31日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで決勝となるチャンピオンシップレースが行われた。Sumo Power GTの#23 NISSAN GT-Rは2位に浮上する大躍進を見せたが、チェッカーフラッグが振られるわずか2分前にリタイア。一転して悲劇の結末を迎えた。ピーター・ダンブレック(英国)とミハエル・クルム(ドイツ)がほぼつかみかけていた3戦連続表彰台の記録は、実現できなかった。

ジェイミー・キャンベル・ウォルター(英国)とウォレン・ヒューズ(英国)も運に恵まれず、ポイント獲得を目指して着実に順位を上げていたが、フォードGTのスピンに巻き込まれ、最終的に11位でのフィニッシュとなった。Swiss Racing TeamのNISSAN GT-Rは、カール・ヴェンドリンガー(オーストリア)ヘンリ・モサー(スイス)組が12位、荒聖治(日本)/マックス・ニルソン(スウェーデン)組が16位でフィニッシュした。

#23 NISSAN GT-Rのスタートを担当したミハエル・クルムは、第1コーナーを抜ける際に8位から14位まで順位を落としてしまった。「スタートするとトップグループが揃ってブレーキをかけたので、僕もそうするしかありませんでした」とクルム。「でも後続車は、僕をかわしてラ・ソースのコーナーを抜けていきました。今日は50kgのサクセスバラストを積んでいたにもかかわらずマシンのフィーリングが素晴らしかったので、そこからの追い上げはとても楽しく、7位まで順位を上げてピットインしました。ピットストップもとても速く、ピーター(・ダンブレック)は4位でコースに復帰することができました。その後まもなく3位に上がり、そして2位につけたのです。こんなにがんばったのにフィニッシュできなかったなんて、本当に悔しいです」

ダンブレックがフォードGTをかわして2位に上がった瞬間は、この日一番のハイライトだったが、ダンブレックが無線でリタイアしたことを告げるとSumo Power GTチームのガレージには沈黙が漂った。リタイア原因は、駆動系トラブルであった。

ウォレン・ヒューズは19番手からのスタートとなったが、好走を見せて13位にまで浮上。しかし、後続のフォードGTからヒットを受けた。「フォードGTが後方から迫ってきました」とヒューズ。「どんどん近づいてくるのが見えたのでスペースを空けましたが、右リアのコーナーにヒットしてきて、私はこらえきれずスピンしました。この時点まではとても順調に走っていたので、こんな形で後退したことはとても残念です。この週末は、素晴らしいペースを見せていましたから」。ピットストップから#22 NISSAN GT-Rを引き継いだジェイミー・キャンベル・ウォルターは、20位でコースに復帰した。上位までかなり差がついていたが順調に順位を上げ、11位でフィニッシュした。

Swiss Racing Team、#4 NISSAN GT-Rの荒聖治は好スタートを見せたが、コルベットと接触し、予定外のピットインを強いられた。「スタートの後に12号車のコルベットと接触。とてもアンラッキーでした」と語る荒。「これでマシンにダメージを負い、応急処置のためにピットに入らなくてはなりませんでした。その後のマシンはとてもいいフィーリングでした。朝のウォームアップからセッティングを変えたのですが、良いセッティングを見つけることができたので、これで残りのレースに向けてとても自信がつきました」。荒とチームメイトのマックス・ニルソンは、16位でレースをフィニッシュ。

Swiss Racing Teamのもう一台のNISSAN GT-Rは、好バトルを展開した末に12位でフィニッシュした。カール・ヴェンドリンガーは16番手からスタート。オープニングラップでやや後退したが、10位まで挽回してヘンリ・モサーにつないだ。 「終盤、Sumo Power GTの22号車といいバトルになりました」とモサー。「私のタイヤの減りが進んできた時、22号車が抜いていきましたが、その後何とかリカバリーしてインから抜こうともしましたが、かわすことができませんでした。チームは、とても進歩してきていると思います。次のレースではいい結果が出せる自信がつきました」

2010年FIA GT1世界選手権の次戦は、4週間後にドイツ・ニュルブルクリンクで開催される。

【総合結果】 24Laps
PosNoMachineDriverTime
1 25 Lamborghini Murcielago Zonta / Kechele 1:01:02
2 33 Maserati MC12 Heger / Müller 1:01:06
3 5 Ford GT Matech Westbrook / Mutsch 1:01:09
4 2 Maserati MC12 Bernoldi / Ramos 1:01:09
5 9 Aston Martin DB9 Makowiecki / Accary 1:01:10
6 7 Aston Martin DB9 Enge / Turner 1:01:11
7 1 Maserati MC12 Bertolini / Bartels 1:01:12
8 34 Maserati MC12 Longin / Verdonck 1:01:13
9 38 Lamborghini Murcielago Pastorelli / Schwager 1:01:13
10 10 Aston Martin DB9 Hirschi / Piccione 1:01:16
11 22 Nissan GT-R Hughes / Campbell-Walter 1:01:17
12 3 Nissan GT-R Wendlinger / Moser 1:01:17
16 4 Nissan GT-R Ara / Nilsson 1:01:26
18 23 Nissan GT-R Krumm / Dumbreck 22 Laps

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上