• ホーム
  • /
  • NISSAN GT-R勢は、FIA GT1アルガルブで波乱の展開

NISSAN GT-R勢は、FIA GT1アルガルブで波乱の展開

FIA GT1世界選手権第7戦(ポルトガル)レースレポート
FIA GT1世界選手権第7戦 [アルガルブサーキット (ポルトガル)]

9月18日 アルガルブサーキット (ポルトガル)
FIA GT1世界選手権第7戦は9月19日、ポルトガルで決勝となるチャンピオンシップレースが行われ、ポールポジションからスタートした#23 NISSAN GT-R(ミハエル・クルム/ピーター・ダンブレック組)が4位に入賞した。前日の予選レース同様にドラマが多かったが、GT-R勢の2チームにとっては前日とは違った展開となった。それでも、Sumo Power GTはチーム選手権で3位浮上を果たしている。

イメージ

予選レースで優勝を果たしたSumo Power GT の#23 NISSAN GT-Rだったが、この日、その歓喜を再現することはできなかった。この日のレースでポールポジションからスタートしたのはピーター・ダンブレック(英国)。スタートから好走を見せて首位を維持し、後半のバトルをミハエル・クルム(ドイツ)に託すべくピットに戻ってきた。しかし、ここでタイヤ交換に使用するインパクトレンチからエアホースが外れるアクシデントが発生し、ピットストップの間に首位の座を失ってしまう。クルムは、それでも諦めることなく果敢に攻め、見事4位でフィニッシュを果たした。

ポルトガル・アルガルブサーキットは、ジェットコースターに乗っているようだとも評され、リズミカルにコーナーが表れるほか、高低差も激しい。ジェイミー・キャンベル・ウォルター(英国)にとっては、スタートで他車からヒットを受けダメージによりリタイアに追い込まれたこのレースは、ジェットコースターというよりも遊園地にあるバンパーカーレースのようなものとなってしまった。予選レースでは懸命な追い上げを見せて見事9番手グリッドを奪取していただけに、キャンベル・ウォルターにも、チームメイトのウォレン・ヒューズ(英国)にとっても、本当に残念な結末となった。

予選レースでリタイアを喫したカール・ヴェンドリンガー(オーストリア)は、後方からのスタートとなった。しかし良いスタートを決め、7ラップまでに14位に浮上。ヴェンドリンガーの攻めの走りを受けて、#3 NISSAN GT-Rのステアリングを担ったヘンリ・モサー(スイス)だったが、レース終盤にモサーからバイブレーションが感じられるとの報告があり、緊急ピットイン。メカニックが懸命にマシンをチェックしている間に、チェッカーフラッグが振られ20位となった。それでもこの日Swiss Racing Teamの#3 NISSAN GT-Rは、これまで以上の速さを印象づけた。

Swiss Racing Team、#4 NISSAN GT-Rの荒聖治(日本)は、10番手グリッドからスタート。見事な滑り出しで7位に上がったが、最終コーナーでスピン。その後、スタート時の接触によりドライブスルーペナルティが課せられた。ドライブスルー後、19位になったところで、マックス・ニルソン(スウェーデン)に交代。18位でのフィニッシュを果たした。

■ドライバーコメント
#23 ピーター・ダンブレックのコメント:
「スタートをうまく決めて、そこからギャップを広げ、ミハエルにつなぐことに集中して走りました。今日はマセラティと競り合ったので、とても楽しめました。自分自身の仕事はピットにトップで戻り、スムーズにピットストップが行われ、ミハエルが首位でコースに戻るまで見届けることだと考えていましたから、自分に関してはできることは全てやり尽くして満足しています。どんな結果にも、少なからずいい部分はあるものです。次戦にバラストなしで行けることは、アドバンテージです」

#23 ミハエル・クルム: 「あのピットストップのあと、全力を尽くして何台か抜きました。昨日は全てが完璧に進みました。GT1は、ほんの些細なことで勝利を失ってしまう厳しいレースです。クルマは昨日と同様良かったのですが、レースはすべてがパーフェクトでないと結果が残せないことが、昨日と今日のレースで証明されました。アルガルブでは、エンジンとブレーキというGT-Rの強みが発揮できたと思う。今日は優勝できなくて残念だったけど、チャンピオンシップポイントを多く獲得でき、チーム選手権で3位に上がれたので良いレースでした」

#22 ジェイミー・キャンベル・ウォルター: 「スタートで左リアコーナーをヒットされて、リタイアに追い込まれてしまいました。誰も最初のコーナーで優勝を決めることはできないはずなのに、こんな形でレースを失ってしまうのは納得できません。」

#3 カール・ヴェンドリンガー: 「最初のラップはとてもよく、それからさらに3台を抜くことができました。その後、かなりブロックされ、それから左リアタイヤが減り始めました。いい走りが出来たことはよかったのですが、もちろん最終的にピットでレースを終えたのは残念です」

#4 荒聖治: 「スピンをする数ラップ前から最終コーナーでマシンが少し不安定に感じていました。そしてあの周は突然、リアのグリップがなくなって、スピンしてしまいました。ドライブスルーは、スタートでの衝突によるものですが、両サイドから接触を受けたので、避けようがありませんでした。7位を走行していた間は、いい走りができました。ニュルの後、チームがテストを行って、クルマは飛躍的によくなっており、チームに感謝しています。今回手ごたえを感じたので、次はきちんと結果を残します」

【総合結果】 34Laps
PosNoDriverMachineTime
1 1 Bertolini / Bartels Maserati MC12 1:00:19.722
2 5 Mutsch / Westbrook Ford GT Matech 1.402
3 13 Hennerici / Margaritis Corvette Z06 15.482
4 23 Dumbreck / Krumm Nissan GT-R 24.623
5 40 Martin / Leinders Ford GT 31.945
6 9 Makowiecki / Clairay Aston Martin DB9 32.483
7 24 Kox / Haase Lamborghini Murciélago R-SV 32.85
8 25 Kechele / Menten Lamborghini Murciélago R-SV 34.845
9 33 Heger / Müller Maserati MC12 41.948
10 7 Turner / Enge Aston Martin DB9 43.495
18 4 Ara / Nilsson Nissan GT-R +2Laps
20 3 Wendlinger / Moser Nissan GT-R +3Laps
22 22 Campbell-Walter / Hughes Nissan GT-R +33Laps

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上