NISSAN GT-R、GT1ナヴァーラで3位ポディウムフィニッシュ

FIA GT1世界選手権第8戦(スペイン)レースレポート
FIA GT1世界選手権第8戦 [ナヴァーラ・サーキット (スペイン)]

10月24日 ナヴァーラ・サーキット (スペイン)
FIA GT1世界選手権は10月24日、スペイン北西部にあるナヴァーラ・サーキットで今季第8戦の予選レースと、決勝となるチャンピオンシップレースが行われ、ウォレン・ヒューズ(英国)/ジェイミー・キャンベル・ウォルター(英国)組が3位ポディウムフィニッシュを達成。Sumo Power GTはチーム選手権ランキング3位の位置を固めた。チームメイトのピーター・ダンブレック(英国)/ミハエル・クルム(ドイツ)組には両レースでリタイアという厳しい一日となった。さらにSwiss Racing Teamは、チャンピオンシップレースでチームの2台が共にリタイアという残念な結果であった。

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この日の午前に行われた予選レースで好走を見せた#22 NISSAN GT-Rは、このレースを5番手でフィニッシュ。ヒューズとキャンベル・ウォルターの両ドライバーが渾身の走りで、チャンピオンシップレースに向けて絶好のグリッドポジションを獲得した。チームメイトの23号車、クルム/ダンブレック組は17番グリッドからスタート後、8位まで順位を上げたものの、最終ラップでガス欠症状によってストップし、チャンピオンシップレースでのスタート順を大きく後退させてしまう。Swiss Racing TeamのNISSAN GT-Rは、3号車のカール・ヴェンドリンガー(オーストリア)/ヘンリ・モサー(スイス)組が14位でフィニッシュ、4号車の荒聖治(日本)/マックス・ニルソン(スウェーデン)組は18位から13位にまで順位を上げた。

午後に行われたチャンピオンシップレースでは、キャンベル・ウォルターが会心のスタートを決め、1周目に早くも5位から2位に浮上。しかし2周目から降り出した強いにわか雨で2つほど順位を下げたが、3位まで挽回してピットインし、ヒューズにステアリングを託した。ヒューズはその後フィニッシュまで、アストンマーチンから執拗なチャージを受け続けたが、振り切ってレースを終了。#22 NISSAN GT-Rに3位ポディウムをもたらした。

同様に好スタートを決めたダンブレックだったが、混戦を切り抜けたのもつかの間、2台前のマシンがスピンしたために前方のマシンが突然ストップ、行き場を失った。これによってスローパンクチャーが発生したため緊急ピットイン。その後レースに復帰したが、このアクシデントでパワーステアリングにダメージを負っており、再度ピットインしたところでリタイアに追い込まれた。

Swiss Racing Teamの2台のNISSAN GT-Rは、チャンピオンシップレースのオープニングラップでリタイアという憂き目にあった。ヴェンドリンガーはランボルギーニからヒットされ、一方の荒は目の前の車両がスピンし行き場が無くなったところ後方から来たダンブレックと接触し、両車ともピットに戻り、リタイアすることになった。

Sumo Power GTとSwiss Racing Teamは、この後に控える南米連戦に向けてナヴァーラから2日後に出荷される便でNISSAN GT-R、スペアパーツ、機材を送り出すため、レース直後から慌ただしく準備に着手した。

#22 GT-Rドライバー ジェイミー・キャンベル・ウォルターのコメント
「スタートでは、前にいるフォード勢2台を抜きました。第3コーナーに入るブレーキングをギリギリまで遅らせて、2位に上がれました。雨が降り出した時、ヒヤリとする瞬間が続いたので、少し力を抜いて何台かに先行させました。すぐに止む雨だろうと分かったので、先に行かせてから抜き返すことが最善策だと考えました。マシンはこの週末を通して素晴らしい走りをしてくれましたね。チームや日産のためにも最高のリザルトとなりました」

同 ウォレン・ヒューズのコメント
「後半は、アストンマーチンとラップタイムを争っていたので、2位のマシンとの差が縮まり始めました。3位フィニッシュでのチェッカーまではラップ数をカウントダウンする思いでしたが、あともう数周あれば2位を狙うこともできましたね。今日は自分の限界まで攻めながら、アストンマーチンに隙も見せないようにとても気を使いました」

#23 GT-Rドライバー ミハエル・クルムのコメント
「今朝の予選レースは期待以上にうまくいっていたと思います。17位からスタートして8位まで順位を上げたのですが、ガス欠症状により最終ラップでクルマが止まってしまい、決勝レースはまた振り出しに戻ることになってしまいました。決勝レースまでの間に少しセッティングをいじり、クルマはさらに良くなったので、5-6位に入ることはできると考えていました。ピーターが素晴らしいスタートを決めた後、不運が襲ってきました。アクシデントに巻き込まれたことにはショックを受けたと同時に大変がっかりしましたが、残り2戦の南米ラウンドでは前向きに、シーズンを良い形で終えることが出来るように頑張ります」

#4 GT-Rドライバー 荒聖治のコメント
「スタートはうまくいったので満足していました。#23号車の前を走っていたのですが、バックストレートの直前で目の前の2台が突然スピンしたので、接触を避ける為、ハードブレーキング。直後を走っていた#23号車と接触し、そのままピットに戻って来たところでリタイアになってしまい、とても残念です」

Swiss Racing Team代表、オトゥマー・ウェルティ
「最初のラップで2台ともリタイアという、非常に残念な結果となってしまいました。セイジ(荒)は前方の2台がスピンしてしまって行き場がなくなり、カール(・ヴェンドリンガー)はランボルギーニにヒットされてしまいました。マシンの調子が上がってきていただけに、本当に悔しい結末です。予選レースでは3号車は古いタイヤを使い、このレースのためにフレッシュタイヤを2セットも温存していましたから、最初のラップでリタイアとはとにかく残念です。そのうちに幸運が巡ってくると考えたいですね」

【総合結果】 37Laps
PosNoDriverMachineTime
1 25 Kechele / Menten Lamborghini Murcielago 670 R-S 1:01'30.476
2 9 Makowiecki / Clairay Aston Martin DB9 11.897
3 22 Campbell-Walter / Hughes Nissan GT-R 12.352
4 7 Turner / Enge Aston Martin DB9 12.968
5 40 Martin / Leinders Ford GT 36.026
6 1 Bertolini / Bartels Maserati MC12 40.311
7 6 Jani / Armindo Ford GT Matech 51.023
8 13 Hennerici / Margaritis Corvette Z06 1'00.070
9 38 Schwager / Pastorelli Lamborghini Murcielago 670 R-S 1'00.362
10 41 Bobbi / Palttala Ford GT 1'13.267
14 23 Dumbreck / Krumm Nissan GT-R 31laps
16 4 Ara / Nilsson Nissan GT-R 36laps

<関連情報> 日産モータースポーツ

以 上