強さが求められる真夏の1000kmは、チーム総合力の高さが鍵 -- 2012 SUPER GT 第5戦プレビュー --

2012 SUPER GT 第5戦プレビュー

2012 SUPER GTの第5戦、41st INTERNATIONAL POKKA 1000kmが、8月18日・19日の両日、三重県にある鈴鹿サーキットで開催されます。真夏の鈴鹿ラウンドが、SUPER GTのシリーズ戦に組み込まれたのは2006年ですが、鈴鹿1000km自体は1966年に第1回大会が開催された、国内でも屈指のクラシックイベントです。レース後に花火が打ち上げられるのも恒例となっていて鈴鹿の、夏の風物詩となっています。

2011 SUPER GT - Rd.5 SUZUKA 500km RACE

2011 SUPER GT - Rd.5 SUZUKA 500km RACE

SUPER GTをGT-Rで戦うGT500日産陣営は、NISMOの#23 MOTUL AUTECH GT-Rをドライブするのは、本山哲とミハエル・クルム(ドイツ)のふたり。経験、実績ともに日本のトップコンビと言えるでしょう。NISMO以外の3チームのドライバーラインナップは、MOLAの#1 S Road REITO MOLA GT-Rが柳田真孝/ロニー・クインタレッリ(イタリア)、チームIMPULの#12カルソニックIMPUL GT-Rが松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ブラジル)、KONDOレーシングの#24 D'station ADVAN GT-Rが安田裕信/ビヨン・ビルドハイム(スウェーデン)となっており、助っ人第三ドライバーの追加登録もありません。

夏の鈴鹿ラウンドは毎年のように猛暑に見舞われてきました。時には雨が降ってウェットコンディションとなることもありましたが、それでも暑さは変わらず。そんな印象がありました。ただしレース距離が1000kmと長く、路面温度も大きな幅で上下するため、持ち込むタイヤもワイドレンジをカバーする組み合わせが必要になってきます。コースレイアウトは低速コーナーから高速コーナーまでバランスよく組み合わされていて、マシンのセットアップは、総てに巧く対処する必要があります。また、多くのチームがこの鈴鹿に向けてバージョンアップしたエンジンを投入することも予想され、ポールタイムが何処まで短縮されるかにも注目したいところです。

今シーズンのNISSAN GT-Rは、ここまでまだ優勝を手にしていません。しかし、レース距離が長い今回の鈴鹿は、チームの総合力が試される1戦となり、チーム力で定評のある#23 NISMOにとってシーズン初勝利を勝ち取る絶好のチャンスです。また、2006年の大会で優勝した#12 IMPULのこのレースとの相性の好さにも期待が高まります。7月に鈴鹿で実施された公式テストは不順な天候に翻弄される一面もありましたが、#1 MOLAがトップタイムをマークしました。もちろん、#24 KONDOも、これまで鈴鹿では、一度ならずいいところを見せていて、こちらの逆襲も見逃す訳にはいきません。

今回の鈴鹿がシリーズの行方を占う上で重要になってくるという認識は、ライバルたちも同じでしょう。特に鈴鹿サーキットをホームコースとしているホンダ勢にとっては、絶対に負けられない1戦、との意識が強いはずです。GT-Rに似た性格のHSVは、低速から中高速まで様々なカーブが組み合わされた鈴鹿を得意としているだけに、今回こそは、の想いは一層です。一方、ここまで4戦3勝とシリーズを優位に進めてきたレクサス勢も、勢いを持続させるためにも、ここでもう一つ勝っておけば、との目論見を持っているはずです。マシンをどう進化させるか、そして進化したマシンで、暑い鈴鹿で繰り広げられる各陣営の熱い戦いに興味津々です。

国内3メーカーが威信を懸けた戦いを繰り広げているGT500クラスだけでなく、SUPER GTではもう一つ、GT300クラスの戦いにも注目したいところです。NDDP(日産のドライバー育成プログラム)の若手ドライバーに託されてSUPER GTに参戦してきたNDDP RACINGの#3 S Road NDDP GT-Rは、前回の菅生で初優勝を飾りましたが、タイトル獲得のためには鈴鹿での頑張りが必須で、チームとしては2連勝を狙っています。GT500クラスだけでなく、GT300クラスでもGT-Rの活躍に期待が高まります。

<関連情報>
「日産モータースポーツ」サイト

以 上