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日産エンジン搭載車がLMP2クラス1位、3位でフィニッシュ

〜 2012 世界耐久選手権第4戦シルバーストン 〜
FIA世界耐久選手権 第4戦 [シルバーストン6時間]

FIA世界耐久選手権(WEC)第4戦が8 月25-26日、英国シルバーストンサーキットで開催されました。ニッサンVK45DEエンジンを搭載するADR-DELTA #25がLMP2クラスで優勝、シグナテック・ニッサンの#26は3位でフィニッシュしました。また、4位から7位も日産勢が独占。出走した日産エンジン搭載車11台のうち10台が6時間の耐久レースを完走し、日産エンジンのレースでの優れたパフォーマンスと耐久性を再び証明しました。

L.オルドネス / M.ブランドル / A.ブランドル

L.オルドネス / M.ブランドル / A.ブランドル

J.トレッソン / F.マイリュー / O.ロンバルド

J.トレッソン / F.マイリュー / O.ロンバルド

今年の残りのヨーロピアン・ルマン・シリーズ(ELMS)がキャンセルとなったこともあり、今回LMP2クラスには総勢15台がエントリー。そのうちニッサンVK45DEを搭載する車両は11台を占めました。

ELMSにエントリーしていたグリーブス・モータースポーツ #23マーティン・ブランドル、アレックス・ブランドル(ともに英国)、ルーカス・オルドネス(スペイン)は見事なペースを発揮しましたが、4度ものアクシデントに見舞われ、5位でフィニッシュしました。

シグナテック・ニッサンの#26はポディウムフィニッシュを決めましたが、#23のジョルダン・トレッソン、フランク・マイリュー、オリビエ・ロンバルド(いずれもフランス)は、完走を果たすことができませんでした。

25日土曜日に行われた予選では、アレックス・ブランドルが好走を見せ、グリーブス・ニッサンにポールポジションをもたらします。また、マイリューも6番手とまずまずのグリッドポジションを得ました。

6時間レースは、26日日曜日昼にスタート。グリーブスのアレックス・ブランドルは、スピンしたLMP1車両を避けなくてはならず、ここで13位にまで順位を落としてしまいます。

「せっかくのポールポジションがスタートで台無しになってしまいました」とブランドル。「LMP1車両に続きLMP2クラスのポールポジションでスタートしたのはよいですが、目の前の一台がスピンしてしまうと、それまでの努力がすべて水の泡となってしまいます。集団の後ろから追い上げるために全力を尽くし、私のスティントが終わるまでに9位まで挽回しました。反撃以上の勢いでした」

交代したオルドネスは、中盤で安全ポールにヒットしながらも挽回を続けました。

「交代した直後から、すべてがいい感じに進んでいました」とオルドネス。「すぐにいいリズムをつかみましたが、10ラップほどした頃、レーシングライン上にある安全ポールが目の前に現れ、避けることができませんでした。ポールはマシンの下側に入り込んでしまい、エアロがなくなってしまいました。ちょうど、ピットに入るタイミングでしたが、セーフティカーが入るまで、そのまま走行を続けました」

セーフティカーが導入されるとオルドネスはピットに戻り、レースが再開する前にマーティン・ブランドルに交代しました。しかし、ブランドルにはスティントの序盤でストップ-ゴーペナルティが科せられてしまいました。

「あれさえなければ、というレースでした」とマーティン・ブランドル。「優勝できるに足る速さはありましたが、アクシデントが4度も起こると挽回は難しくなります。スタートではアレックスがトラブルに巻き込まれ、そしてルーカスの安全ポール。ルーカスは後ろからヒットも受けていますし、私にはストップ-ゴーペナルティが科せられてしまいました。これは少し複雑な状況で、レース再開時にAMクラスのアストンマーチンが出て行こうとしなかったようなので私は彼を抜いたのですが、それでペナルティが与えられてしまいました。これらのドラマがなければ、余裕で優勝することができたと思います」

シグナテック・ニッサンのマイリューは好スタートを決めて4位まで浮上。その後、ダブルスティントをこなす間、この順位を維持しました。そしてロンバルド、2010年のGTアカデミー勝者のトレッソンとつなぎました。トレッソンは好走を見せましたが、終盤に向かうにつれてマシンがブローします。

「ベケッツに入った時、パンクのような感触があり、チャペルのランオフエリアに入り込みました」とトレッソン。「残念ながら、マシンが人工芝に乗ってウォールに向かい、そこでレースが終わりました。それまではすべてが順調で、安定して走行を満喫していました。今日は選手権争いのためにも大量ポイント獲得を目指していたので、本当に残念です」

一方、グリーブスでは、次のアレックス・ブランドルがザイテック・ニッサン本来のペースを見せつけて4位まで浮上しました。その後、交代したオルドネスは懸命なアタックをみせて、このレースでのLMP2クラスの2位のラップタイムもマーク。終盤はオレカ・ニッサンのピエール・カッファーに抜かれましたが、LMP2クラス5位でフィニッシュを果たしました。

GTアカデミー、ヨーロッパ地域の勝者を選抜

この週末、シルバーストンで行われたレースは、WEC戦だけではありませんでした。GTアカデミー、ヨーロッパ地域のファイナリスト6人も、グランプリサーキットのフルコースを使っての激戦を展開しました。このレースを制したのは、ベルギーのウォルフガング・レイポ。レイポは今後、日産のドライバー育成プログラムに参加し、2013年1月に開催されるドバイ24時間レースの出場を目指し、準備を進めていきます。

<世界耐久選手権 第4戦 LMP2クラス>
Pos No Drivers Car Time / Behind
1 25 John Martin / Jan Charouz / Tor Graves Oreca 03 - Nissan 6:01'30.997
2 44 Vicente Potolicchio / Ryan Dalziel
Stéphane Sarrazin
HPD ARX 03b - Honda +5.653
3 26 Nelson Panciatici / Pierre Ragues
Roman Rusinov
Oreca 03 - Nissan +24.547
4 49 Luis Perez Companc
Soheil Ayari / Pierre Kaffer
Oreca 03 - Nissan +1Lap
5 42 Lucas Ordoñez / Martin Brundle
Alex Brundle
Zytek Z11SN - Nissan +1Lap
6 24 Jacques Nicolet
Matthieu Lahaye / Olivier Pla
Morgan - Nissan +1Lap
7 38 Simon Dolan / Sam Hancock
Nicolas Minassian
Zytek Z11SN - Nissan +1Lap
8 30 Alexander Sims / Julien Jousse / Maxime Jousse Lola B12/80 Coupe - Judd +2Laps
9 48 Jody Firth / Warren Hughes
Brendon Hartley
Oreca 03 - Nissan +3Laps
10 35 David Heinemeier Hansson
Bertrand Baguette / Dominik Kraihamer
Morgan - Nissan +7Laps
11 29 Fabien Giroix / Keiko Ihara
Jean-Denis Deletraz
Lola B12/80 Coupé - Nissan +7Laps
12 31 Thomas Holzer / Mirco Schultis / Christijan Albers Lola B12/80 Coupé - Lotus +9Laps
13 41 Christian Zugel / Ricardo Gonzalez
Elton Julian
Zytek Z11SN - Nissan +10Laps
14 23 Franck Mailleux / Olivier Lombard
Jordan Tresson
Oreca 03 - Nissan +48Laps
15 32 Vitantonio Liuzzi / James Rossiter / Kevin Weeda Lola B12/80 Coupé - Lotus +157Laps

WEC(世界耐久選手権)
WEC (世界耐久選手権)は、世界を転戦して行われるスポーツカー耐久レースです。これのLMP2(ルマンプロトタイプ2)クラスに参戦する9台のうち6台に対し、ニスモが量産エンジンをベースに開発した「NISSAN VK45DE」エンジンを供給し、技術支援を行っています。

<関連情報>
「日産モータースポーツ」サイト

以 上