8月9日 富士スピードウェイ(静岡県)
猛暑の中、8月9日(日)に静岡県の富士スピードウェイ(1周4.563km)にてSUPER GT第4戦の決勝レースが行われ、#24 D'station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ミハエル・クルム)がGT500クラスで優勝。Nissan GT-R NISMO GT500は、第2戦富士、第3戦タイのブリラムに続き3戦連勝を果たしました。また3位に#12 カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が入り、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が4位に入り、それぞれチャンピオンシップランキング1位、2位となりました。
GT500 class #24, "D'station ADVAN GT-R" |
GT500 class #12 "Calsonic IMPUL GT-R" |
お盆休み最初の週末と重なったため、富士スピードウェイには二日間で合計56,800人もの観客が集まりました。照りつける太陽で、グランドスタンドはうだるような暑さとなりましたが、決勝レースはそれを吹き飛ばすほどの熱戦となりました。ここまで好成績を収めている#1 GT-R、#12 GT-Rは、共にハンディキャップウェイトが50kgを超えるため、燃料の供給を制限する燃料リストリクターを装着してレースに臨んでいます。富士スピードウェイはストレートが長く、ここで同装置のないクルマとはトップスピードで差が出てしまいます。そのため、公式予選は苦戦し、#12 GT-Rは8番グリッドから、#1 GT-Rは11番グリッドから決勝レースをスタートすることになりました。ハンディウェイトのない#24 GT-Rは、6番手からのスタートです。#24 GT-Rのスタートを担当したクルムは6位を維持したまま序盤を周回し、ひとつポジションを上げて後半担当の佐々木にバトンタッチ。スタートから1時間を経過すると路面温度は下がりはじめ、それとタイミングを合わせたかのように佐々木の追い上げが始まります。まずは先行する#100 NSX CONCEPT-GTをパスして4位となると、次に#36 RC Fを抜いて3位に上がりました。その前では、#1 GT-Rとトップの#38 RC Fが攻防を繰り広げていましたが、佐々木は2台を難なくパスして首位に躍り出ると、最後までペースを落とさず、2位に4.7秒差をつけて優勝を果たしました。#24 GT-Rが優勝するのは、2010年開幕戦鈴鹿以来5年4ヶ月ぶりであり、佐々木にとってはSUPER GT初優勝、クルムは2004年の十勝戦以来11年ぶりの勝利となりました。KONDO RACINGの近藤真彦監督は、「強いタイヤを作ってくれたヨコハマタイヤさんに感謝します。不運などにより勝てそうで勝てないレースが続いたので、本当に嬉しいです。ようやく全てがうまくかみ合い、最高の結果を残すことができました。序盤厳しい局面をマイケル(クルム)がしのぎ、後半は大樹が本当によくやってくれました」と語っています。
GT-Rの活躍はこれだけではありませんでした。11位からスタートした#1 GT-Rは前半担当の松田が序盤から根気よく上位を追い、8位にポジションを上げてピットイン。NISMOのメカニック達は、ライバルチームよりも早いピットワークでマシンをコースに戻すと、#1 GT-Rは実質3位へと順位を上げていました。クインタレッリはこの勢いのまま、#36 RC Fを抜いて2位になり、トップの#38 RC Fとの差をじりじりと詰めていきました。しかし、燃料リストリクターのない#38を抜き去るチャンスがなかなか訪れず、終盤になってタイヤグリップが落ちてきたところ、後続の#12 GT-Rに先行を許して4位でチェッカーフラッグを受けました。一方、前半後方に沈んでいた#12 GT-Rは後半にペースを上げていき、最終ラップにはポイント争いを展開している#1 GT-Rを捉えると、3位表彰台フィニッシュに成功。選手権ポイントトップにつけました。
前回優勝の#46 S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝)は、予選10位からスタートし14位フィニッシュとなりました。GT300クラスは、#3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)は、オープニングラップのダンロップコーナーで他車にヒットされてマシンを壊し、ピットまで戻りますがそのままリタイア。#10 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)が6位に入賞し、クートは選手権ランキングトップを守っています。
■#24 GT-Rドライバー 佐々木大樹のコメント
「暑くて厳しい条件の中、クルムさんが5位で戻ってきてくれたので、涼しくなる後半はできるだけプッシュしようと考えていました。まずは3位を狙い、抜いた時にまだいけると感じたのでプッシュを続けました。終盤は、本当に暴れるマシンを抑えながら必死に走りました。ゴールした瞬間は感極まってしまい、またパルクフェルメでクルムさんの顔を見た時にまた涙があふれてしまいました」
■#24 GT-Rドライバー ミハエル・クルムのコメント
「僕にとってKONDO RACINGで3シーズン目となりましたが、ヨコハマタイヤの皆さんをはじめ、全員が勝ちたいという情熱がとても強いチームなので、諦めずに戦い続けた結果が今日でました。もちろん運もありました。これまで不運なことも多かったので、この勝利は心から嬉しいです。もちろん11年ぶりの優勝は格別です」
■NISMO監督 鈴木豊のコメント
「ロニーは、素晴らしい追い上げを見せてくれましたが、ストレートスピードが足らず、抜くことができませんでした。終盤はタイヤがきつくなって4位となりましたが、11位からのスタートでトップ争いをしたわけですから、よいレースだったと思います。ドライバーも、完璧なピット作業でクルマを送り出したチームにも100点満点をつけたいと思います。現在ランキング2位ですが、チャンピオンへの希望をもって後半戦に臨めます」
GT500決勝 結果】66Laps
Pos | No | Machine | Driver | Time / Behind |
1 | 24 | D'station ADVAN GT-R | 佐々木大樹/ミハエル・クルム | 1:44'07.199 |
2 | 38 | ZENT CERUMO RC F | 立川祐路/石浦宏明 | 4.704 |
3 | 12 | カルソニック IMPUL GT-R | 安田裕信/JP・デ・オリベイラ | 5.765 |
4 | 1 | MOTUL AUTECH GT-R | 松田次生/ロニー・クインタレッリ | 6.995 |
5 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT | 山本尚貴/伊沢拓也 | 12.617 |
6 | 15 | ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT | 小暮卓史/オリバー・ターベイ | 20.781 |
7 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F | 伊藤大輔/ジェームス・ロシター | 22.491 |
8 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT | 塚越広大/武藤英紀 | 28.804 |
14 | 46 | S Road MOLA GT-R | 本山哲/柳田真孝 | 1 Lap |
【GT300決勝 結果】61Laps
Pos | No | Machine | Driver | Time / Behind |
1 | 55 | ARTA CR-Z GT | 高木真一/小林崇志 | 1:45'05.719 |
2 | 65 | LEON SLS | 黒澤治樹/蒲生尚弥 | 9.310 |
3 | 11 | GAINER TANAX SLS | 平中克幸/ビヨン・ビルドハイム | 13.393 |
6 | 10 | GAINER TANAX GT-R | アンドレ・クート/千代勝正 | 27.740 |
14 | 48 | DIJON Racing GT-R | 高森博士/田中勝輝 | 2Laps |
17 | 30 | NetMove GT-R | 小泉 洋史/岩崎 祐貴 | 2Laps |
19 | 47 | DIJON Racing GT-R | 湯澤翔平/柴田優作 | 5Laps |
21 | 360 | RUNUP Group&DOES GT-R | 吉田 広樹/田中 篤 | 7Laps |
- | 3 | B-MAX NDDP GT-R | 星野一樹/高星明誠 | 60Laps |
<関連情報>
「日産モータースポーツ」サイト
以 上