日産自動車、使用済み自動車からのプラスチック材料リサイクル部品を今秋発表予定の超小型電気自動車に採用

1999年5月17日
日産自動車株式会社
広報部

日産自動車、使用済み自動車からのプラスチック材料リサイクル部品を
今秋発表予定の超小型電気自動車に採用

~バンパー、インストパネル、インストダクト及びカーペットの4部品を元の部品に~

 日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:塙 義一)は、部品メーカー等との共同開発により、業界で初めて、使用済み自動車からプラスチック部品を回収し、それらの素材を同じ部品にリサイクルする技術を開発した。同社は、この技術を活用し、まず、バンパー、インストパネル、インストダクト及びカーペットの4リサイクル部品を、今年初秋に発表を予定している超小型電気自動車に採用する。
 

 従来、使用済み自動車から回収されたプラスチックは、異物が混入しているため、品質の確保が難しく、要求品質の高い同一部品への再利用が困難であった。今回の取り組みは、それぞれの部品構造及び材料構成に対応した分離・分別・再生技術を開発することにより、使用済み自動車から回収、再生したプラスチックを元の部品に戻すことで、

  1. リサイクル材の高付加価値確保
  2. リサイクル材利用先の安定的な確保
  3. 現行製品のリサイクル上の問題点を把握し、将来製品のリサイクル性設計改善を図ったものである。また、今回の成果が、将来のリサイクルの円滑な進展に寄与すると考えている。


各部品のリサイクル技術は以下の通り。

  • バンパー:リサイクルする際の異物となるバンパーの塗装膜を、薬品を使用せず、粉砕したバンパー片から機械的に剥離除去。
  • インストパネル、インストダクト:使用済み自動車から取外した部品をそのまま粉砕し、金属類等の異物を除去。
  • カーペット:使用済み自動車のカーペットの汚れを除去し、粉砕後、樹脂分と繊維分を分離し、樹脂分をリサイクル(本技術は98年10月、工程内でのカーペットリサイクル技術として広報発表済み)。


なお、本取り組みは、日産自動車(株)が98年2月に発表した「自動車のリサイクル自主行動計画」における「使用済み自動車部品から同じ部品へのリサイクル」を具現化したものである。

以上