12月18日 カリフォルニアスピードウェイ(米国カリフォルニア州)
全日本GT選手権(JGTC)オールスター戦「JGTCオールスター200」が、12月18日(土)に米国カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のカリフォルニアスピードウェイ特設コース(1周3.7km)で開催され、本年の公式戦に出場した車両を中心に23台のGTマシンが出場した。
【200マイルレース決勝】
ポールポジションからスタートした#1「ザナヴィ ニスモZ」の本山哲は、オーバル部分の終盤に設けられたシケインをトップでクリア。2位スタートの#12「カルソニックIMPUL Z」のブノワ・トレルイエがこれに続いた。予選5位の#22「モチュールピットワークZ」は影山正美がレースをスタート。予選8位の#3「G’ZOX・SSR・ハセミZ」は金石年弘がスターターであった。金石の#3Zはオープニングラップで後続にかわされるものの、2周目には7位に上がり、日産勢はこの順位を守ってレース序盤を周回することとなった。しかし、12周目のインフィールドに隊列が入ってまもなく、周回遅れに引っかかった本山は#12 Zに先行を許し、その直後、後続の#37スープラが接触。#1 Zはスピンしてしまう。そこに#18 NSXがボディサイドに衝突し、その衝撃で#1 Zは右リアサスペンションを破損することに。本山はスロー走行でピットまで帰着するものの、レース続行は不能と判断され、リタイヤとなってしまった。その直後セイフティカー導入により上位車がピットイン。#22 Zが2位までポジションアップし#12 Zと1-2走行。22周目にトップの#12 Zがピットインしたのちに、#22 Zが代わってレースリーダーとなった。32周目のコントロールラインまで影山はトップをキープし続けたが、オーバルのシケイン入り口でスピン。順位を3位に落としてしまう。その後2位に戻して42周目にピットインし、ミハエル・クルムに交代した。しかし、影山のスティント中に既に始まっていたパワーステアリングのトラブルが徐々に進行し、クルムは重いステアリングの操作に苦しんだ。そして、58周目にピットインするが、応急処置では対応できないことが分かり、リタイヤを決断した。
#12 Zは、#1から首位を奪った後、22周目にピットインするまでトップで走行。8位でレースに戻り、徐々にポジションを上げていって51周目には2位となった。しかし、56周目に2回目のピットストップで井出からトレルイエに交代した際に5位に。終盤には他車と接触したり、黄旗追越しでドライブスルーペナルティを受けたりしたが、4位でチェッカーフラッグを受けることとなった。
#3 Zは、7位から5位に順位をあげて序盤を周回した後もトラブルを避けて徐々にポジションを上げ続け、51周目ピットインした後58周目までは首位を走行した。最後のスティントでコースに戻った金石は、最大12秒以上あった首位#32 NSXとのギャップを周回ごとに詰めていった。そして、最終的には1.1秒差にまで迫るが逆転までには至らず、2位で87周目のチェッカーフラッグを受けることとなった。
しかしその後、トップの#32 NSXがレース中の違反に対しペナルティタイムが加算されたため、#3「G’ZOX・SSR・ハセミZ」が繰り上がり優勝となった。#32は、規定のピットストップ2回をこなしていなかった。
【ハセミモータースポーツ長谷見監督のコメント】
「レース中、スタッフに競技長まで確認に行かせているので、ピットスップの件は分かっていました。レース後も70%くらいの感覚でうちが優勝だと思っていたので、結果が出てすっきりしましたね。今年は、Zではうちだけが勝てていなかったので、オールスター戦とは言え優勝できて嬉しいです。」
【ニスモ出川監督のコメント】
「良いポジションからのスタートだったのに、良いリザルトを残せなかったのは残念です。レースは、クルマ、ドライバー、そしてピットワークの質がそれぞれ良くなければ勝てません。そして、その上に少しだけの運が必要です。今回はその良い運が足りなかったようですね。」
【総合結果】 87 Laps 晴れ、ドライ、気温24℃、観客32,5,00名
Pos |
No |
Machine |
Driver |
Time / Behind |
1 |
3 |
G‘ZOX・SSR・ハセミZ |
金石年弘/E.コマス |
2:13'52"119 |
2 |
32 |
PIAA NSX |
松田次生/A.ロッテラー |
-58'844 |
3 |
35 |
DIREZZA DUNLOP Supra |
服部尚貴/脇阪薫一 |
-1'24"833 |
4 |
|
カルソニック IMPUL Z |
B.トレルイエ/井出有治 |
-1'42"320 |
5 |
37 |
DYNACITY トムススープラ |
J.コートニー/片岡龍也 |
-2Laps |
6 |
16 |
M-TEC NSX (GT300) |
山野哲也/八木宏之/黒澤治樹 |
-4Laps |
|
|
ザナヴィ ニスモZ |
本山哲/R.ライアン |
-29 Laps |
|
|
モチュールピットワーク Z |
影山正美/M.クルム |
-75 Laps |
【12月19日スプリントレース決勝】
JGTCオールスター戦2日目は、当初24分間のスプリントレースを2回行い、それぞれの結果を合計して順位をつけるというものであった。しかし、スケジュールが変更となり、第1レースは各クラス別の公式予選として行われることに。そして、これによって決められたスターティンググリッドで第2レースを決勝レースとして実施するとになった。このレースは、インフィールドの1.45マイル、2.33kmだけを使って行われるもので、予選は各クラス10分ずつ、決勝レースは25周となった。GT500は、10分間の予選が行われ、ニスモの#1「ザナヴィニスモZ」は、前日の200マイルレースでもポールポジションを獲得したリチャード・ライアンがドライブ。53秒345のベストタイムを記録し、2日続けてのボールシッターとなった。#22「モチュールピットワークZ」は、影山正美がドライブして53秒481の6番手タイム、#12「カルソニックIMPUL Z」はブノワ・トレルイエのアタックで53秒510で7番手に続き、#3「G’ZOX・SSR・ハセミZ」は金石年弘が走り54秒043で9番手となった。
15時00分からスタート進行が始まった決勝レース直前には気温は25℃を超えていた。しかし、ここでポールポジションの#1 Zが電気系トラブル、#22 Zが前日発生したステアリング系統のトラブル、そして#12 Zもエンジントラブルでゲートクローズドに間に合わず、決勝レース不出走という、思わぬ事態となってしまった。
3周のフォーメーション走行ののち16台によるトレースがスタート。6番手からスタートした#3 Zは、先行する#35スープラが1周目でリタイヤしたため5位に浮上した。その後4位の#100 Zに迫り追越のチャンスを狙ったが、レース後半はGT300車両が絡んだためトラブルを避け、5位でレースを終了した。
【スプリントレース結果】 25 Laps 晴れ、ドライ、気温26℃
Pos |
No |
Machine |
Driver |
Time / Behind |
1 |
32 |
PIAA NSX |
A.ロッテラー |
22’46.167 |
2 |
37 |
DYNACITY トムススープラ |
J.コートニー |
-9.742 |
3 |
18 |
TAKATA DOME NSX |
S.フィリップ |
-14.236 |
4 |
|
RAYBRIG NSX |
中野信治 |
-15.250 |
5 |
3 |
G‘ZOX・SSR・ハセミZ |
金石年弘 |
-35.544 |