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World Series by Nissan第9戦シリーズ上位ドライバーがドックファイトを展開2万5000人の観客が「ワールドシリーズbyニッサン」のフィナーレに大歓声


へレス(スペイン) 11月7

日産のVQエンジンを使ったワンメークの2ヒート制フォーミュラレース、「ワールドシリーズbyニッサン」(WSN)の最終戦の決勝が、11月7日、スペイン・ヘレスで開催された。前戦で既にワールドシリーズbyニッサンとして最後のシリーズタイトルを決めたコヴァライネンが第1ヒートを制したものの、午後の第2ヒートではピットから出る際に白線を越えたために課されたペナルティでリードを失うというミスで、2ヒート制覇を逃すこととなった。

<第1ヒート>

第1ヒートは、ポンズ・レーシングから参戦したコヴァライネンが、このレースで"ジョーカータイヤ"を切り出し、圧倒的な強さを見せた。通常、ドライバーは指定されたタイヤの使用を義務付けられているが、シーズンに2回だけ、新しい"ジョーカー"を切ることができる。コヴァライネンを含め数人のドライバーは、この最終戦まで"ジョーカー"をキープしていた。

コヴァライネンのリードは、今年ジョーカーを使ってのアドバンテージを最大限に活かした数人のドライバーほどではなかったが、シリーズ2位のティアゴ・モンテイロ(カーライン・モータースポーツ)はコヴァライネンのリードを脅かすには至らず、2秒弱遅れてのフィニッシュ。モンテイロのチームメイト、オリヴィエ・プラも5番グリッドから、ジョーカーを使いスタートで3位に浮上。しかし、ポルトガルで見せたアドバンテージの再現を起こすことはできず、後半徐々にペースダウンとなった。

ジャン=クリストフ・ラヴィエは、カーライン・コンビの後ろで様子を見ながらタイミングを待つ忍耐のレースとなった。インドのナレイン・カーティケヤンはラヴィエを追い上げるよりも、後方に潜む"ジョーカー組"のトリスタン・ゴメンディの動向に気を取られることとなった。この午前のレースでは、エンリケ・ベルノルディが3台抜きを披露して7番手に浮上、ファステスト・ラップもマークした。

なお、ガボード・レイコ・チームから参戦した日本人ドライバーの吉本大樹は14番グリッドからスタートし、オープニングラップにて他車と接触し、リタイアとなった。

<第2ヒート>

第2ヒート、レースリーダーのヘイッキ・コヴァライネンにドライブスルー・ペナルティが宣告されるまで、モンテイロは後塵を拝していた。コヴァライネンはピットストップ時にピットから出る際、白線を越えたことに対してペナルティが課され、変調してしまう。ミロス・パブロビックとダミアン・パシーニの2人も同じミスを犯している。

結局、第2ヒートを制したのは、モンテイロ。"ジョーカータイヤ"を武器にこのレースを疾走したファン・クルス・アルヴァレスに対して8秒の大量リードを築いての、圧倒的な勝利だった。11番手からの出走となったアルヴァレスは、スタートで2台をかわし、セルジオ・ヘルナンデス(サウルニア・レーシング)を抜き去った後、ピットストップの間にさらに3つ順位を上げた。そして、エンリケ・ベルノルディ(GDレーシング)のリタイアと、3番手で走行していたナレイン・カーティケヤン(RCモータースポーツ)がレース中盤にスピンを起こしたことで、さらに順位を上げた。

アドリアン・ヴァレスがポディウム最後のポジションを獲得し、ポンズ・レーシングのガレージには再び歓喜が戻った。地元スペインのヴァレスは非常に古いタイヤでのスタートとなっただけに、このリザルトには喜びもひとしおとなった。

なお、ファン・クルス・アルヴァレスのチームメイト、吉本大樹は13番グリッドからスタート。最終戦で健闘を見せ10位でフィニッシュした。

第1ヒートを制したコヴァライネンは、「午後のレースは自分のミスで落としてしまっただけに、非常に悔しい。今年最後のレースは優勝で飾りたかった。しかし、今年は素晴らしいシーズンだった。僕にとっては、初めての国際イベントでのチャンピオンであるし、自分のキャリアにとってももちろん重要な戦績になった」と語った。

第2ヒートを制したモンテイロは、「今日は運も僕らに味方していた。きっとこれは、今年の最初のレースでのペナルティの見返りだね!チームの今年の働きは素晴らしかったし、みんなとてもハッピーだよ」と語った。

チャンピオンのタイトルは、前戦ですでにコヴァライネンが決めていたが、シリーズ2位争いは今回まで持ち越されていた。最初のレースで堅実な走りを見せたモンテイロが2位を確定させたが、ジャン−クリストフ・ラヴィエは3位を逃し、ベルナルディが最後にその座を勝ち獲った。この日の両レースでファステスト・ラップを叩き出す瞬発力を見せつけたラヴィエだったが、総体的な攻めが反映された結果となった。

ニッサンのタイトルを冠し7年間隆盛を誇ってきたワールドシリーズbyニッサンは、来年からワールドシリーズbyルノーに一新される。新シリーズの開幕は2005年5月の予定。

詳細な結果は以下のとおり。

決勝結果 第1ヒート(17周)

順位

ドライバー

タイム差

1

ヘイッキ・コヴァライネン

27'22.149

2

ティアゴ・モンテイロ

+2.416

3

オリヴィエ・プラ

+6.422

4

ジャン・クリストフ・ラヴィエ

+7.075

5

ナレイン・カーティケヤン

+8.813

R

吉本大樹

---

決勝結果 第2ヒート(24周)

順位

ドライバー

タイム差

1

ティアゴ・モンテイロ

39'15.025

2

ファン・クルス・アルヴァレス

+8.392

3

アドリアン・ヴァレス

+11.207

4

カルン・チャンドク

+19.884

5

ジャン・クリストフ・ラヴィエ

+20.398

10

吉本大樹

+56.177

シリーズポイント

順位

ドライバー

ポイント

1

ヘイッキ・コヴァライネン(FIN)

186

2

ティアゴ・モンテイロ(POR)

154

3

エンリケ・ベルノルディ(BRA)

121

4

ジャン・クリストフ・ラヴィエ(FRA)

120

5

トリスタン・ゴメンディ(FRA)

101

以 上