ルノー、台湾 裕隆汽車との販売契約に合意、台湾でのプレゼンスを一層強化へ


2000年12月19日

 

ルノー、台湾 裕隆汽車との販売契約に合意、台湾でのプレゼンスを一層強化へ
~ 日産・ルノーのアライアンスの新たなシナジー ~



 ルノーは、日産の台湾におけるパートナーである裕隆汽車と、2001年より裕隆のディーラーを通じてルノー車を販売することで合意した。この合意を機に、ルノーは台湾におけるプレゼンスを更に強化する。台湾市場での中期的なシェア目標は5%で、その過程において1.2%のシェア獲得を計画している。2001年からセニック、クリオ、新型ラグナを順次投入する。 

 裕隆汽車は、今回の合意により、フランスから輸入したルノー車を既存の販売網を活用して、拡販を図る。ルノー車の販売ネットワークは、日産車ディーラーの協力を得た上で、日産とのブランドを明確に区分するため、日産車とは異なる拠点を16ヶ所まで順次拡大する。台湾の総人口の70%を占める大都市部をカバーするこの16拠点では、修理等のアフターサービスも行う。 

 台湾市場は、1999年の全需が412,586台とアジアで5番目に大きなマーケットであり、近い将来WTO(世界貿易機構)に加盟すると輸入車市場が更に拡大することが見込まれる。 

 同市場では、これまでに累計150,000台のルノー車が販売されている。これまでに販売された車種とその投入時期は以下の通りである。
 ルノー9 (1983年)、ルノー11 (1985年)、 ルノー21 (1987年)、 ルノー・エクスプレス (1989年)、 ルノー19 (1990年)、ラックスモア (1993年)、トゥインゴ・イージー (1994年)、トゥインゴ・オートマチック(1997年) 

 ルノーのパトリック・デブロ アジア・パシフィック担当VPは次のように語っている。「裕隆汽車との合意は、ルノーの台湾における更なる発展の重要なステップであり、アジア太平洋地域全体における重要なステップでもある。これは、日産・ルノーのアライアンスにおけるシナジーのひとつとして、長期的なパートナーである裕隆とルノーとの合意を日産が推進してくれたからこそ実現したのだ。」 

 裕隆汽車は、1953年6月に厳慶齢によって設立され1957年12月には日産との技術援助契約に調印した。現在日産自動車が25%出資している裕隆汽車の時価総額は4億9804万米ドル (156億6600万台湾ドル)である。また、1999年の売上高は14億1780万米ドル(445億9700万台湾ドル)、税引き前利益は1億3108万米ドル(41億2300万台湾ドル)である。 

 また同社は、2600人強の従業員を擁し、販売ネットワークには16のディーラー、133の拠点、118の修理工場を有している。1998年11月には、裕隆アジア開発センターを創設した。この研究開発施設は、お客さまの多様なニーズに対応するための商品改良に大きく寄与している。さらに裕隆汽車は、自動車関連サービス全般をカバーし、自動車金融、保険、ロードサイド・アシスタンスの各事業にも取り組んでいる。尚、同社は1999年にISO 14001の認証を取得している。 

 日産は、裕隆汽車とのパートナーシップにより台湾において確固たる地位を築いている。1999年には70,203台を販売し、台湾の乗用車市場では第2位のシェアとなる22.5%を獲得した。三義にある裕隆汽車工場でKD生産されているセフィーロは、高級車クラスの人気車種となっており、1999年に29,324台を販売、車種別の販売ランキングでは第2位となった。尚、同車の新モデルは2000年10月に台湾市場に投入されている。 

 裕隆汽車の厳凱泰 副会長兼社長は以下のように述べている。「競合車のない革新的なモデルであるセニックに代表されるように、台湾市場においてはルノー・ブランドは日産ブランドと補完関係を築くことになる。また、長期に渡って良好な関係を続けてきたパートナーである日産とそのルノーとのアライアンスに貢献できることをたいへん光栄に思っている。」 

 日産自動車の志賀俊之 常務は、以下のように述べている。「ルノー車の販売により、ルノー、裕隆、日産の3社は台湾での商品ラインアップを拡充することになり、ヨーロピアン・テイストを好むお客さまも魅了することができる。バック・オフィスの共通化を始めとした効率的なマネジメントによって、ルノーのお客さまにはリーズナブルな価格での商品の提供が可能となるだけでなく、メンテナンスやサービスも台湾全国にある日産の拠点で受けて頂ける。また、これは日産のお客さまや配給店にとっても大きなメリットになる。」 

注:米ドルの金額表示は、1999年の最終稼働日におけるレート(1米ドル=31.455台湾ドル)にて換算している。




参考データ)

●台湾自動車市場 (1999年)
乗用車+LCV 412,586台 (1998年比 10.9% ダウン)
  乗用車 LCVs 構成比
CKD 259,392 98,691 87%
CBU 50,700 3,803 13%
合 計 310,092 102,494 100%
構成比 75.2% 24.8%  

●台湾の概況
人口: 2130万人
国土面積: 36,000 km2
1平方キロあたり人口: 600人
都市部人口: 70%
一人あたりのGDP: $13,575(米ドル)
経済成長率: 5.48%



以  上