日産自動車、ITS技術を搭載したコンセプトカー「ITS CAR 2001-i」を開発

       平成10年8月19日                                          日産自動車株式会社
                              広報部
                                                            

日産自動車、ITS技術を搭載したコンセプトカー

 

「ITS CAR 2001-」を開発

~移動中の乗員の様々な要求・要望に対応したドライブ環境を提供する次世代カー~

日産自動車(本社:東京都中央区 社長:塙 義一)は、このほど、情報通信マルチメディア系を中心としたITS(インテリジェント・トランスポート・システム:高度道路交通システム)技���を搭載し、“移動中の乗員の様々な要求・要望に対応し、ドライバーが思い通りに移動できるドライブ環境”を実現した次世代のコンセプトカー「ITS CAR 2001-」を開発した。
このコンセプトカーでは、ドライバーが思い通りに移動できるドライブ環境を実現するため、「話す・見る・触るといった人とクルマをむすぶインターフェイスの革新」、「運転時の安心感の向上」を図ってきた。このため、9月よりサービス開始する情報提供サービス「コンパスリンク」による音声対話インターフェイスによる運転サポート、情報提供、大型液晶モニターによる視認性の向上、大型集中操作スイッチによる操作性の向上、さらには車間距離レーダー、周囲モニターシステム等による安心サポートを始めとして約30種のシステムを備えている。

《「ITS CAR 2001-」の主な搭載システム》

情報マルチメディア系

 

システム名

機能・役割

ナビゲーションシステム

立体バードビューョナビ画面表示の他、車内情報ネットワークにより、様々なITS機器やオーディオシステム等のアプリケーションと接続することで、多彩なコンテンツを大型モニターに表示。

コンパスリンク情報提供サービス

集中スイッチ部に配した専用ボタンの操作によりコンパスリンク情報センターと接続。

自動料金収受システム

地図画面との分割画面にて課金情報等を表示インストパネル内部に車載アンテナを、集中スイッチ部にICカード読書き装置をビルトイン。

VICS

リアルタイム交通関連情報を表示。ビーコンアンテナをインストパネルに埋め込み、突起感を軽減。

衛星放送対応チューナー&アンテナ

衛星自動追尾方式のアンテナにより、最適な受信感度を確保。将来、衛星経由でドライブ関連情報が提供されることを想定。

   

ヒューマンマシンインターフェイス系

 

システム名

機能・役割

大型液晶モニター

10.4インチモニターをトップマウント。モニターの視認性と前方視界を両立させた最適位置に配置。

オンスクリーン・ヘッド・アップ・ディスプレイ

前方車両に接近した際、警報をフロントガラスに表示。

スラント型集中スイッチ

操作機能をグループ化し、瞬時にボタンを認識できるように配慮した他、液晶モニターで確認しながら各々の操作が可能。

周囲モニターシステム画面切り替え用ステアリングスイッチ

車両前方左右及び後方のカメラ映像をスイッチ操作により、フロントモニターへ表示。

音声入力操作

運転者の音声入力によるナビ、オーディオ機器等の操作が可能。

   

安心サポートシステム系

 

システム名

機能・役割

車間距離レーダー

ミリ波レーダー等により測定した先行車との車間距離が所定距離よりも短い場合に、ヘッドアップディスプレイとブザー音で報知。

プレビューコーナーモニター

フロントバンパーに埋め込んだCCDカメラにより交差点左右の映像をモニターへ表示。

後方モニター

リヤスポイラーに埋め込んだカメラにより、車両後部の死角部分をモニターへ表示。

コーナーセンサー&バックソナー

超音波センサーにより、車両四隅バンパー及び後方付近の障害物を検知し、運転者へ報知。

   

利便・その他

 

システム名

機能・役割

多機能型エンジンスターターシステム

携帯電話を利用した遠隔操作エンジンスターター。電話端末側でドアの施解錠確認・操作も可能。

ドライブレコーダー

事故発生時の前後10秒間の映像をCCDカメラにより撮影し記録。

 

 

 尚、同コンセプトカーは10月に韓国 ソウルで開催される「第5回 ITS世界会議 ’98 ソウル」(10月12日~16日)に出展される予定である。
 
 日産自動車では「人とクルマと自然の共生」をテーマに、21世紀のクルマ社会に向けて、次に挙げる4つの分野でITSについて提案をしていくとともに、実用化に向けた各種実験も行っていく計画である。
(1) 「快適で楽しいカーライフの提案」
・情報提供サービスの実現等、マルチメディアに対応したカーライフの創造
(2) 「安全なカーライフの提案」
    ・ASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全実験車)、
AHS(Advanced Cruise-Assist Highway 
System:走行支援道路システム)など“ヒューマン・マシン・インターフェイス”
に重点を置いた安全運転支援システムの研究開発
(3) 「円滑で環境に優しいクルマ社会の提案」
    ・バードビューョナビゲーション、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報    通信システム)、自動料金収受システムなど、クルマとインフラの融合を試みた研究開発、実用化、商品化
(4) 「新しい都市交通コンセプトの提案」
    ・ITS技術を活用した超小型電気自動車や交通流シミュレーションの研究、情報発信・提案活動によるクルマと    新しい都市の関わりの提案 

 

 

以上