ヨーロッパ・バハカップ最終戦「バハ・アンタ・ダ・セッラ・ポルタレグレ500」2005年型日産ピックアップが、実戦初参戦で勝利を獲得

10月23-24日　ポルタレグレ(ポルトガル)　SS 1 : 185 km ・SS 2 : 201 km ・SS 3 : 69 km

ヨーロッパ・バハカップ最終戦「バハ・アンタ・ダ・セッラ・ポルタレグレ500」が10月23日・24日にポルトガルのポルタレグレ近郊で開催され、2005年仕様の日産ピックアップを駆るコリン・マクレー(英国)/ティナ・トルナー(スウェーデン)組が、デビュー戦で総合優勝を勝ち取った。

デビューを果たした2005年仕様の日産ピックアップのボディワークは、リアウィングが外されている以外は2004年モデルとほぼ同じである。しかし、外観は同じでも、マシンの約80%が新設計となっている。2005年仕様は新型エンジンを搭載。これまでの3.5リッターV6エンジンに代わり、4リットルエンジンとなった。これにより、有効トルクが向上し、操縦性能の改善にも貢献している。また重量物の大部分が車体中央部に集められ、サスペンションはよりシャープに、トランスミッションは信頼性が向上している。チームは信頼性確保とパフォーマンス向上の2点に専念し、7月と9月にチュニジアとモロッコで集中開発テストを行い、このバハ・ポルタレグレをデビュー戦に選んだ。

太陽の光と大勢の観客に恵まれた23日の競技初日は、ポルタレグレ周辺で開催。185kmと201km、2本のSS（競技区間）が行われた。前日のプロローグランでステージウィンを獲得したコリン・マクレーが、競技の先陣を切った。全般的に高速コースの第1セクションでは、先行車の埃に悩まされることなく走行。数々のジャンプやウォータースプラッシュが含まれたこのコースは、マクレーに完璧にマッチしたコース。カルロス・スーザ(三菱)との差を順調に広げていったが、マクレーはタイヤ交換のため途中でストップしたため約3分をロスし、10秒差でステージウィンをスーザに譲った。しかし、壮大な景観の中に設定されたナローでややバンピーな第2セクションでは、SS1と形勢が逆転。首位に立つと後続を引き離し、マクレー／トルナー組は、カルロス・スーザに5分35秒の差を付け、トップでフィニッシュラインを越えた。競技2日目は69kmのSS3が行われ、危なげない走りでステージを駆け抜けたマクレーが2005年仕様の日産ピックアップに初参戦・初優勝をもたらした。全般にわたってレースを支配したマクレーは、2位に入ったメインのライバル、カルロス・スーザに、6分近くのリードを築いてフィニッシュ。数ヶ月にわたる開発チームの努力に報いると共に、8週間後にスタートが迫るダカールラリーに向けて大きな励みになる結果を残した。

コリン・マクレーにとっては、記念すべきクロスカントリーラリー初優勝となった。「今回の優勝は本当にうれしい。マシンには、まだ手を加える必要はあるが、いい方向に向かっていることが確認できた。この先数週間の間に、フランスでテストを予定している。ここでは主に耐久面についての作業を行う。個人的な面では、クロスカントリーラリーでの初勝利を獲得したことを心から喜んでいる。このバハは、比較的距離は短いが、イージーなコースではなかった。いつものように最高の仕事を務めてくれたティナにも感謝したい。」と語った。

トルナーにとっても、貴重な1勝。微笑みながら、「これが日産ラリーレイドチームでの2勝目。(03年の)モロッコでジニール（ドゥビリエ）と勝って、今日はコリンとのコンビでの初勝利。チーム全体にとって、とても重要な勝利よ。これで、ダカールラリーに向けて、さらにモチベーションが高まったわ。」と語った。

チーム・マネージャーのジル・マルティノーも、「チーム全員が取り組んだ全てのハードな作業が、報われたのだ。テストの結果から見ても、このマシンの戦闘力が高いことは分かっていたが、競技のコンディションでどれだけ対応できるかを確認することが非常に重要だった。完全な競技環境でのこのテストは、文句無しにポジティブな内容だった。我々の最高のメンバーに対しても感謝したい。次の舞台はバルセロナ。ダカールラリーのスタートだ。」と、この勝利の味をかみしめた。

日産ラリーレイドチームは、11月16日にパリで記者会見を開催し、2005年ダカールラリーの参戦体制を発表する予定。

詳細結果は下記のとおり。

バハ・ポルタレグレ結果　（競技区間455km）

以　上