日産自動車 過去最高の2001年度決算見込みを発表

NRP後の新中期計画、日産180の詳細を併せて発表

日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロスゴーン)は本日、2001年度決算の暫定値を発表した。同社は日産リバイバル・プラン(以下NRP)の全てのコミットメントを達成する見込みであることから、同プランの1年前倒しでの完了を2001年度末に発表しているが、2001年度決算は連結営業利益4,900億円(39.2億USドル、45億ユーロ)、連結当期純利益3,720億円(29.7億USドル、34.2億ユーロ)となる見込みである。同社カルロスゴーン社長はまた、本年4月1日より実施している新たな3年間の経営計画である日産180の主な内容についても明らかにした。

「我々はNRPの実行により、苦境にあった企業を健全な企業へと変革させた。日産180の実行によって、健全な企業を卓越した企業へと変革させていく。」とゴーン社長は語った。

連結売上高は前年度比1.8%増の6兆2,000億円(495.6億USドル、570億ユーロ)となる。また、連結営業利益は、前年度の2,903億円から68%増の4,900億円(39.2億USドル、45億ユーロ)と大きく改善する。これにより連結営業利益率は7.9%となり、過去最高の数値となる見込みである。

自動車事業実質有利子負債は、5,180億円(41.4億USドル、47.6億ユーロ)削減され、NRPのコミットメントである7,000億円を下回る4,350億円(34.8億USドル、40億ユーロ)となる。この迅速な負債の削減は、収益の大幅な回復と有価証券を含むノンコア資産の売却を日本において引き続き実施したことによるものである。

「今回の決算はまさにNRPの成果であり、1999年当時、外部の最も楽観的な見方においてすら、予想し得なかった結果である。」とゴーン社長は語った。

ゴーン社長はまた、売上の増加・コスト削減・品質とスピードの向上・ルノーとのアライアンスによるシナジー効果の最大化という4つの柱から構成される日産180の主要な計画についても明らかにした。

日産180の下で、今後3年間で少なくとも28の新型車を投入するという精力的な商品計画を継続することで、日産は2004年度末までに100万台の販売増を計画している。また、この成長を加速させる為に、新しいセグメント及び新しい海外市場へも参入する予定である。

売上の増加に加えて、日産はグローバルでのコスト削減計画の策定など、効率化への取り組みも継続していく。ゴーン社長はまた、同計画での購買、製造、物流、流通を含む各分野におけるコミットメントを明らかにした。成長とコスト削減からもたらされる連結売上高営業利益率は、日産180の下で8%に達する見込みである。

この成長戦略をサポートする為、日産は売上高に占める設備投資額の割合を5.5%に増加させ、また研究開発費の割合を4%-4.5%の間に維持をする。その一方で、高い収益性とノンコア資産売却を継続することで、日産180の完了までに自動車事業実質有利子負債を無くすことを想定している。

ゴーン社長は「我々は日産の明確な将来図を持っている。新年度は日産180のもと、幕を開けた。このプランは当社の業績を更に向上させ、継続的な利益ある成長という新たな局面を開くものである。今はその将来図を必ず実現するのみである。」と語った。

重要な連結決算数値

販売台数
2001年度のグローバル販売台数は、2000年度に対し1.4%減の2,597,000台となった。しかしながら、北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したアルティマ、日本での新型マーチの投入などにより下期の販売は上期に比べて改善した。上期の販売は前年同期比3.6%の減となったが、下期においては0.8%の増となっている。

売上高
連結売上高は、前年度比1.8%増の6兆2,000億円となる見込みである。しかし、前年まで採用していた会計基準及び連結範囲を適用した場合の比較では、売上高は5.4%の増となる。
これは、当社の決算をより国際会計基準に近づけていく一環として、以前は費用項目として計上していた「米国とメキシコにおけるインセンティブ費用」を、2001年度は売上高から直接差し引いて算出していることによる。また、以前は連結対象であった18の関連会社株の売却により、売上高が減少している。

営業利益
連結営業利益は、2000年度の2,903億円から、過去最高となる4,900億円となる見込みである。売上高営業利益率は過去最高の7.9%となる。

当期利益
連結当期純利益は、3,720億円(29.7億USドル、34.2億ユーロ)となり、2000年度の3,311億円から409億円の改善となる。これは過去最高の結果となる。

有利子負債
自動車事業における実質有利子負債は激減し、予想値及びコミットメント値を共に過達する。本業における収益の増加と、2001年度の1,920億円にのぼるノンコア資産の売却により、自動車事業実質有利子負債は対2000年度5,180億円減の4,350億円となった。

配当金
1株当たりの配当金を前年度の7円から14%増となる8円として提案することを決定した。

2002年度業績予想
財務状況の好転により、取締役会は本年6月に実施される株主総会において、日産は2002年度に関し、下記のリスクとプラス要因を含む決算見通しを発表した。

リスクとしては円高ドル安局面と、予想を上回る競争環境の激化が挙げられる。

プラス要因としては、特に米国における潜在的な全需の好転が挙げられる。しかしながら、最も大きなプラス要因は、日産180の迅速な実行である。

この見通しに基づき日産は、東京証券取引所に2002年度の連結業績予想を届け出た。その中では、連結売上高6兆5,000億円、連結営業利益5,530億円、連結経常利益4,880億円及び当期利益3,800億円としている。また、同年度末までに連結自動車事業実質有利子負債が、2,500億円以下になるとしている。

以 上

注:本レリース中に記載されている米ドル及びユーロ表記は、2001年度期中平均値の1ドル=125.1円及び1ユーロ=108.8円のレートを使用。